多くの企業がサイバー攻撃への対策を講じていますが、攻撃手法は日々高度化・巧妙化しており、対策を実施していても被害を受ける可能性があります。企業の重要な情報やシステムを守るには、最新の脅威を把握し、対策を継続的に見直すことが重要です。本記事では、サイバー攻撃の目的や種類、過去の被害事例、具体的な対策方法について解説します。
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サイバー攻撃とは
サイバー攻撃とは、インターネットやコンピュータを利用した犯罪行為の総称です。具体的には、以下のような行為がサイバー攻撃に該当します。
- 機密情報の盗み取り
- システムの乗っ取り
- サービスの中断
攻撃の対象となるのは、個人から企業までさまざまです。近年はコンピュータのみならず、スマートフォンやクラウドシステム、インターネットに接続しているIoT機器も被害に遭っています。
近年のサイバー攻撃の動向
サイバー攻撃に関連する通信は、近年も多く観測されています。総務省が公開した令和8年版情報通信白書によると、NICTERで確認された2025年の1IPアドレス当たりの観測パケット数は約250万パケットで、2015年の約25万パケットと比較して10倍です。また、2025年の総観測パケット数は、各IPアドレスに対して約13秒に1回観測された計算になります。
総務省|令和8年版 情報通信白書|サイバーセキュリティ上の脅威の増大
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資料ダウンロードサイバー攻撃の目的
- 主なサイバー攻撃の目的は以下のとおりです。
- 愉快犯的な自己顕示欲
- 情報の不正入手
- 金銭目的
- 社会的な影響力
単純な金銭取得をはじめ、企業や団体、国家の弱体化や機密情報の売買など、目的は多岐にわたります。ここでは、サイバー攻撃が行われる主な目的について解説します。
金銭や身代金を要求する
サイバー攻撃では、金銭の獲得を目的にランサムウェアが用いられる場合があります。ランサムウェアは、システム内のデータを暗号化し、復号と引き換えに身代金を要求する攻撃です。近年は、データを窃取したうえで公開すると脅す「二重恐喝」や、暗号化せずに窃取した情報をもとに金銭を要求する手口も確認されており、企業や組織にとって脅威となっています。
企業の機密情報や個人情報を窃取する
サイバー攻撃には、企業が保有する機密情報や個人情報の窃取を目的としたものがあります。標的型攻撃では、特定の企業や組織を狙い、マルウェアなどを利用してシステムへ侵入し、機密情報や個人情報を窃取します。また、フィッシングでは、偽のメールやSMSから偽サイトへ誘導し、IDやパスワード、クレジットカード番号などを盗む手口が確認されています。
システムやWebサイトを停止させ企業や組織の業務を妨害する
企業や組織の業務を妨害する目的で、システムやWebサイトを停止させるサイバー攻撃もあります。代表的な手口がDoS攻撃やDDoS攻撃です。攻撃対象のサーバに大量の処理要求やデータを送り付けて負荷をかけ、Webサイトの表示遅延やサーバの機能停止を引き起こします。ECサイトが標的になると、販売機会の損失につながる場合があります。
サイバー攻撃の種類と攻撃プロセス
サイバー攻撃は、メールやシステムの脆弱性などを悪用した初期侵入から、情報窃取やデータの暗号化、業務停止などの重大被害へ発展する場合があります。主な攻撃手法と被害の内容を、攻撃プロセスに沿って整理します。
初期侵入(入口)
- マルウェア:不正なメールやWebサイトなどを通じて感染する
- 標的型攻撃:特定の企業を狙い、メールのURLや添付ファイルなどから侵入する
- サプライチェーン攻撃:取引先や委託先のシステムなどを経由して侵入する
- Emotet(エモテット):不正なメールの添付ファイルなどから感染する
- フィッシング:偽サイトへ誘導して認証情報を窃取し、不正ログインにつなげる
- ゼロデイ攻撃:修正プログラムが提供される前の脆弱性を悪用する
- SQLインジェクション:Webアプリケーションの脆弱性を悪用し、データベースを不正操作する
侵入後に引き起こされる重大被害(出口・結果)
- ランサムウェア(二重・三重恐喝):データの暗号化や情報窃取を行い、情報公開などを脅しに身代金を要求する
- 機密情報・個人情報の窃取:顧客情報や技術情報などを盗み出し、情報漏洩を引き起こす
- システム・アカウントの乗っ取り:管理者権限や認証情報を悪用し、不正操作やさらなる攻撃につなげる
- データの改ざん・破壊:業務データの書き換えや削除により、情報の信頼性や業務継続に影響を及ぼす
- 不正送金・金銭被害:窃取した認証情報などを悪用し、企業の資金を不正に移動させる
- システム停止・業務妨害:重要なシステムやサービスを停止させ、事業活動に支障をきたす
- マルウェア感染の拡大:侵入した端末からほかの端末やサーバへ感染が広がり、被害範囲が拡大する
サイバー攻撃の対策方法
サイバー攻撃に対してどのような対策をすればよいか、具体的な方法を解説します。
セキュリティソフトを導入する
代表的なサイバー攻撃の対策として、セキュリティソフトの導入が挙げられます。OSごとにセキュリティソフトは標準装備されていますが、既知ではない攻撃手法やウイルスに対しては無力です。そのため、既存のセキュリティソフトに加えて、別途導入することをおすすめします。
ソフトウェアを最新の状態にする
サイバー攻撃に備えて、ソフトウェアは常に最新の状態にしましょう。ソフトウェアはその性質上、必ず脆弱性が存在しますが、最近のサイバー攻撃はその脆弱性に付け込む手口が多いです。そのため、ソフトウェアのベンダ側も、ソフトウェアの脆弱性を改善できるアップデートを迅速に提供しています。アップデート通知が届いたら、すぐにアップデートを行いましょう。
メールセキュリティを強化する
メールは、標的型攻撃やフィッシング、マルウェア感染などの侵入経路として悪用されるため、セキュリティの強化が重要です。具体的には、不審なメールのフィルタリングや添付ファイルの検査、危険なURLの検知、送信ドメイン認証などを組み合わせることで、メールを介した攻撃のリスクを抑えられます。
サイバーソリューションズ株式会社の「MAILGATES Σ」は、標的型攻撃対策や情報漏洩対策、誤送信対策に対応したクラウド型メールセキュリティサービスです。既存のメール環境を維持しながら導入できるため、自社の運用環境に合わせたセキュリティ強化に活用できます。
関連記事:【メールセキュリティ最前線】その目的はウイルス感染防御と誤送信防止、コンプライアンス対応にあり
Webブラウザのセキュリティを強化する
サイバー攻撃対策として、Webブラウザのセキュリティを強化するのも有効です。昨今はメールのみならず、Webブラウザを介してサイバー攻撃を行う手口も増えています。そのため、以下のような対策を徹底するようにしましょう。
- ブラウザの更新とパッチの適用
- 信頼できるWebサイトの識別
- 強力なパスワードの設定と管理
- 二要素認証の活用
- プライバシー設定の最適化
ID・パスワードセキュリティを強化する
ID・パスワードのセキュリティ対策では、パスワードの複雑さだけでなく、認証方式の強化が重要です。米国国立標準技術研究所(NIST)のガイドラインでは、パスワードの長さを重視し、文字種の組み合わせを強制しない方針が示されています。
企業では、多要素認証(MFA)やシングルサインオン(SSO)による認証管理の強化に加え、FIDO2に対応したパスキーの導入も有効です。また、アカウント乗っ取り(ATO)を防ぐため、ログイン履歴の監視や不審なアクセスの検知、アクセス権限の適切な管理などを組み合わせる必要があります。
脆弱性管理を実施する
定期的な脆弱性管理の実施も、サイバー攻撃の対策として有効です。脆弱性管理とは、システムやソフトウェアに存在する脆弱性を継続的に把握し、適切な対策を講じることを指します。攻撃者よりも先に、ソフトウェアの未知の脆弱性を把握できれば、脆弱性に対処でき、被害を未然に防止できるでしょう。
従業員へのセキュリティ教育を実施する
企業などの組織において、従業員に対するセキュリティ教育の実施も大切です。パスワードの使い回しの禁止をはじめ、情報保護のルールを設けている組織は珍しくありません。しかし、ルールを厳守するかは従業員1人ひとりの意識次第です。そのため、定期的に勉強会や研修を実施して、情報セキュリティ教育を徹底することをおすすめします。
バックアップを取得して復旧体制を整える
サイバー攻撃によるデータの消失や暗号化に備え、定期的にバックアップを取得して復旧体制を整えることが必要です。ランサムウェアではバックアップデータも暗号化される事例が確認されているため、ネットワークから切り離してオフラインで保存する方法が推奨されています。あわせて復旧手順を確認し、被害を想定した訓練を実施することも有効です。
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資料ダウンロードサイバー攻撃の被害事例
過去にどのようなサイバー攻撃の事例が発生し、その結果どのような被害が出たのか、以下で詳しく解説します。
シード・プランニングの事例
2026年3月、東京都の業務委託先であるシード・プランニングがランサムウェア攻撃を受け、一部端末のファイルが暗号化されました。同社が保有していた東京都の担当者情報や企業の連絡先などについて、漏洩の可能性があると公表されています。公表時点で第三者への情報漏洩は確認されていませんが、委託先の被害が発注元にも影響する事例です。
※参考:委託業務受託者へのサイバー攻撃について|3月|都庁総合ホームページ
日本資産総研の事例
2026年5月9日、日本資産総研はランサムウェア感染を確認し、サーバ内のファイルが暗号化される被害に遭いました。その後の調査では、認証情報を窃取されたことによる不正アクセスや、一部データの外部送信が判明しています。さらに、8月26日時点で顧客の個人データが攻撃者のリークサイトに公開されていたことも確認されました。
※参考:セキュリティインシデントの発生に関するご報告(第2報) – 株式会社日本資産総研 <青山財産ネットワークスグループ> | 株式会社日本資産総研 <青山財産ネットワークスグループ>
BIGLOBEの事例
2026年6月、BIGLOBEメールのシステムで不正アクセスが確認されました。原因は、メール基盤に導入されていたソフトウェアの脆弱性を悪用されたことです。調査の結果、約501万人分のメールアドレスやBIGLOBE ID、うち約463万人分のパスワードの漏洩が確認されました。同社はパスワードのリセットなどの対応を実施しています。
※参考:「BIGLOBEメール」への不正アクセス発生のお詫びとご報告 – ニュース – ビッグローブ株式会社
ココナラの事例
2026年10月8日、ココナラが運営する「ココナラスキルマーケット」で不正アクセスが発生しました。第三者によって個人情報が外部に持ち出され、履歴書449件と職務経歴書関連書類1,845件の漏洩が確認されています。同社は攻撃経路を遮断し、システムの脆弱性を修正するとともに、対象者への個別連絡などを進めています。
※参考:「ココナラスキルマーケット」への不正アクセスによる個人情報漏洩に関するお詫びとお知らせ | 株式会社ココナラ — coconala Inc.
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資料ダウンロードサイバー攻撃を受けたときの対処法
実際にサイバー攻撃を受けた場合、どのように対処すればよいかについて解説します。
マルウェアに感染した端末をネットワークから隔離する
マルウェアに感染したときは、感染端末を可能な限り速やかに、物理的にネットワークから遮断してください。マルウェアは二次被害の危険性が高いためです。ネットワークから隔離したら、次はセキュリティソフトを用いてデバイスをスキャンし、マルウェアの駆除を試みてください。
セキュリティソフトでマルウェアの駆除ができない場合は、情報端末のハードディスクを初期化して対処します。
関連記事:マルウェアとは?種類、脅威や影響、必要な対策をわかりやすく解説
不正アクセスの状況や影響範囲を調査する
不正アクセスされたときは、マルウェアと同様に、不正アクセスを受けたサーバをネットワークから物理的に遮断します。また、不正アクセスが発生した場合、IDやパスワードを盗まれている可能性が高いです。そのため、IDやパスワードを素早く変更する必要があります。そのあとは、不正アクセスが発生した原因を調べ、再発防止に努めましょう。
関連記事:不正アクセスとは?該当行為や原因・手口・対策・被害時の対応・事例を解説
フォレンジック調査で原因と影響範囲を特定する
フォレンジック調査は、サイバー攻撃を受けた端末やサーバに残された記録を解析し、侵入経路や被害範囲を特定するための調査です。保全したログやディスクイメージなどを分析し、不正アクセスの発生時刻や攻撃者の操作、情報漏洩の有無などを確認します。調査によって明らかになった原因や被害状況は、システムの復旧方針や再発防止策の検討に役立ちます。
ログやデジタル証拠を保全する
サイバー攻撃を受けた場合は、原因調査に必要なログやデジタル証拠を速やかに保全することが重要です。具体的には、サーバのアクセスログや認証ログ、通信ログなどを収集し、安全な場所に保存します。ログは時間の経過とともに上書き・削除される場合があるため、早期の対応が必要です。また、証拠の改ざんや消失を防ぐため、取得日時や作業内容を記録し、適切な管理体制のもとで保管します。
情報漏洩が発生した場合は関係機関へ報告する
情報漏洩が発生したときは、外部からのアクセスをすぐに遮断し、情報が流出してしまった個人や法人に通知します。すべての関係者に通知するのが難しい場合は、ホームページや記者会見などを行いましょう。また、残された記録から紛失、および盗難にあった情報をなるべく正確に把握し、二次被害に備えます。
関連記事:情報漏洩とは?原因やリスクと企業が取るべき対策をわかりやすく解説
外部の専門事業者へ相談する
サイバー攻撃を受けた場合、自社だけでの対応が難しければ、外部の専門事業者や公的機関へ相談します。被害状況を整理したうえで、専門事業者へ調査や復旧を依頼する方法があります。犯罪の可能性がある場合は警察、情報セキュリティに関する相談はIPAなど、状況に応じた窓口を利用することも重要です。専門家の知見を活用し、被害の把握や復旧につなげます。
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資料ダウンロード主なサイバー攻撃の種類
主なサイバー攻撃の種類と、それぞれのサイバー攻撃の特徴について解説します。
マルウェア
マルウェアとは、悪意のあるソフトウェアの総称です。コンピュータシステムに害をおよぼすことを目的に設計されており、さまざまな攻撃手法が確認されています。主なマルウェアの種類は、以下のとおりです。
標的型攻撃
標的型攻撃とは、特定の企業や組織を狙ったサイバー攻撃のことです。主な目的として、機密情報や顧客の個人情報、知的財産の取得などが挙げられます。攻撃の手口はメールを用いたものが主流で、メールの本文に記載されたURLや添付ファイルをクリックさせ、マルウェアに感染させます。
関連記事:標的型攻撃メールを防御!失敗しないメールセキュリティ対策の選び方
ランサムウェア
ランサムウェアとは、サイバー攻撃で最もよく使われるマルウェアの1つです。ファイルやデータベースを暗号化したうえで、元の状態に戻すために巨額の金銭、身代金を要求します。現在日本でも被害が増えており、大手企業でも被害が発生しています。
関連記事:ランサムウェアとは?感染経路と被害の状況、対策をわかりやすく解説
サプライチェーン攻撃
サプライチェーン攻撃とは、セキュリティが比較的脆弱な取引先や子会社を経由して、本命のターゲットに攻撃を仕掛ける手法です。対策には、自社だけでなく取引先や委託先のセキュリティ状況の確認も必要です。
関連記事: サプライチェーンリスクとは?種類と特徴、主な原因とセキュリティ対策の基本を解説
Emotet(エモテット)
Emotetとは、2014年に誕生したトロイの木馬型のマルウェアです。2019年以降、メールを主な感染ルートとして、感染被害が拡大しました。感染被害を防ぐためには、主な感染源であるメールでの複合的な対策が必要です。
関連記事:Emotet(エモテット)とは?攻撃の流れ、感染拡大の背景、対策をわかりやすく解説
フィッシング
フィッシングとは、メールやSMS、デジタル広告を介し、ターゲットのIDやパスワードを盗むサイバー攻撃です。高額な物品を勝手に購入される、不正送金されるなど、近年被害が多発しています。
サービス不能/妨害攻撃(DoS攻撃/DDoS攻撃)
サービス不能、妨害攻撃は、特定のサーバに対して、大量のデータを送りつけるサイバー攻撃です。犯行の際は複数のIPアドレスが使用されるため、犯人を特定するのが困難です。
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資料ダウンロードまとめ
サイバー攻撃にはさまざまな種類があり、一度被害に遭うと深刻な事態に発展する場合もあります。しかし、セキュリティソフトの導入をはじめ、適切な対策を行えば、被害に遭うリスクを最小限に抑えることが可能です。
サイバー攻撃は手口が高度化・巧妙化しており、被害を防ぐには多層的なセキュリティ対策が重要です。初期侵入経路の約9割をメールが占めるとの報告もあり、悪意ある添付ファイルやフィッシングURLへの警戒が欠かせません。そのため、多層防御のなかでも侵入の起点となるメールゲートウェイでの検知・遮断を強化し、脅威を水際で防ぐことが重要です。
サイバーソリューションズ株式会社では、メールの送受信やセキュリティ、誤送信対策など、メール環境に必要なサービスを幅広く提供しています。クラウド・オンプレミスなど、さまざまなインフラ環境に対応しているほか、必要な機能を組み合わせることで、コストを抑えながらメールセキュリティを強化できます。自社の環境に適したサイバー攻撃対策を検討している場合は、各サービスの資料をご確認ください。
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