SCS評価制度(サプライチェーン・サイバーセキュリティ対策評価制度)が2026年度から開始されます。本記事では、制度の定義や創設背景、5段階の星(★)による評価基準、ISMSやPマークとの違いを分かりやすく解説します。
対応するメリットや開始前に準備すべきことも網羅しているため、調達基準への対応やセキュリティ強化を進めるための具体的な一歩として役立ちます。
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SCS評価制度とは何か
SCS評価制度(サプライチェーン・サイバーセキュリティ対策評価制度)とは、経済産業省が主導する新しい情報セキュリティ格付けの仕組みです。サプライチェーン全体のサイバーセキュリティ水準を向上させる目的で創設されました。
この制度では、企業のセキュリティ対策状況を「星(★)」の数を用いた5段階で評価し、客観的に可視化します。これにより、取引先選定時の確認負担を軽減します。
SCS評価制度の定義
SCS評価制度(サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度)とは、経済産業省と内閣官房国家サイバー統括室が策定し、IPA(情報処理推進機構)が運営する新しいセキュリティ評価の仕組みです。
サプライチェーンを構成する企業のセキュリティ対策状況を5段階の「星(★)」で共通基準化・可視化し、取引間における確認の負担軽減と全体の底上げを図ります。
ISMSとの違い
ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)は国際規格(ISO/IEC 27001)に基づき、自組織の情報資産を守るための「管理体制やプロセス(PDCA)」の構築に主眼を置きます。一方、SCS評価制度は日本のサプライチェーン全体での取引を想定し、企業間の具体的なセキュリティ実務や対策水準を星の数でわかりやすく可視化する点に違いがあります。
Pマークとの違い
Pマーク(プライバシーマーク)は、日本産業規格(JIS Q 15001)に準拠して「個人情報の取り扱い」が適切であるかを評価・認定する制度です。これに対し、SCS評価制度は個人情報に限らず、サイバー攻撃による操業停止リスクや機密情報の漏洩を防ぐための「IT基盤全体のセキュリティ対策」を評価対象としている点が大きく異なります。
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サービスの概要資料を受け取るSCS評価制度が創設された背景
近年、サプライチェーンを構成する中小企業を狙ったサイバー攻撃が急増しています。セキュリティ対策が脆弱な中小企業を足がかりにして、取引先である大企業のネットワークへ侵入し、システム障害や機密情報の漏えいを引き起こす手口が深刻な社会問題となりました。
従来のセキュリティ評価は、発注企業ごとに個別のチェックシートを送付して確認する手法が一般的なため、受注側である中小企業にとっては過度な事務負担が課題でした。また、統一された基準が存在せず、自社の対策水準を客観的に把握することが困難な状況が続いていました。
このような背景から、経済産業省はサプライチェーン全体の防衛力を底上げするとともに、企業間のセキュリティ確認に要するコストを削減するため、共通の物差しとして本制度を創設しました。
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サービスの概要資料を受け取るSCS評価制度が運用されるタイミング
経済産業省の発表によると、SCS評価制度は2026年度からの本格的な運用開始を予定しています。2025年度中には実証事業や評価基準の詳細な策定が進められ、段階的な導入に向けた準備が行われています。
サプライチェーン全体でのサイバーセキュリティ対策強化は喫緊の課題であり、大企業の調達基準や中小企業の評価仕組みとして、2026年以降に順次社会実装が進む見通しです。
SCS評価制度の仕組み
SCS評価制度は、企業のセキュリティ対策状況を共通の基準で評価し、5段階の星で可視化する仕組みです。
★1・★2・★3・★4・★5の違い
SCS評価制度では、セキュリティ対策状況を星(★)の数で5段階評価します。各段階の違いは以下の通りです。
- ★1:セキュリティ対策の自己宣言を実施する段階
- ★2:基本的なセキュリティ対策項目を実践する段階
- ★3:クラウド利用など変化する環境に応じた対策を実施する段階
- ★4:高度なサイバー攻撃への対応体制を構築する段階
- ★5:サプライチェーン全体を牽引する最高水準の対策を実施する段階
第三者による審査段階が上がるほど、より高度なセキュリティ体制と厳格な確認が必要になります。
★3と★4の違い
★3と★4における最大の相違点は、評価基準の厳格さと第三者による関与の度合いにあります。★3は、クラウドサービス(サービス)の普及に対応したセキュリティ対策状況などを客観的に確認する段階です。
一方、★4は組織的なインシデント対応体制(CSIRTなど)の構築や、より高度なサイバー攻撃を想定した防衛、検知、復旧の仕組みが求められます。確認手法も★3より厳格な審査が行われます。
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サービスの概要資料を受け取るSCS評価制度の対象範囲と対象外となる範囲
SCS評価制度は、サプライチェーンに関わる全ての企業を対象とし、直接的なリスクのない事業者は対象外となります。
対象となる範囲
SCS評価制度の対象となる範囲は、主に国内のサプライチェーンに組み込まれているすべての企業です。発注企業から直接製品や部材、サービスなどの調達を受ける一次サプライヤだけでなく、その下請けとなる二次、三次以降の事業者も含まれます。
分野や規模を問わず、取引関係を通じて機密情報や基幹システム、ネットワークへのアクセス権限を持つすべての受注事業者がこの制度の適用対象です。
対象外となる範囲
SCS評価制度において対象外となる範囲は、発注企業の業務やサプライチェーンのセキュリティリスクに直接的な影響を及ぼさない事業者です。具体的には、機密情報を取り扱わない一般物品の購入や、社内ネットワークへの接続を伴わない役務の提供を行う企業などが該当します。
ただし、取引の内容や取り扱うデータの重要度に変更が生じた場合は、対象外の扱いから外れて評価を求められる仕組みとなっています。
SCS評価制度に対応するメリット
SCS評価制度に対応することは、取引の継続や企業の社会的信頼性の向上において、多くの利点をもたらします。
受注企業側のメリット
受注企業における利点は、自社のセキュリティ対策状況を客観的に証明できる点にあります。これにより、取引先からの信頼を獲得しやすくなり、新たな受注機会の獲得や競争力の強化につながります。 さらに、発注企業ごとに異なっていた個別チェックシートへの回答負担が大幅に軽減されるため、業務効率化を実現可能です。
共通の物差しを用いて対策の弱点を把握し、効率的な改善活動を行える点も特徴です。
発注企業側のメリット
発注企業における利点は、サプライチェーン全体のセキュリティリスクを一元的に管理しやすくなる点にあります。共通規格である星の数を確認するだけで、取引先の対策水準を即座に判断可能です。 これにより、自社で独自のチェックシートを作成し、回収、集計する労力やコストを削減できます。
基準を満たした事業者と取引を行うことで、サプライチェーンを経由したサイバー攻撃や情報漏洩を未然に防ぐ防衛体制が整います。
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サービスの概要資料を受け取るSCS評価制度が社会全体に与える影響
SCS評価制度の本格的な導入によって、日本の産業界全体におけるサイバーセキュリティの基盤が大きく底上げされます。従来は対策の遅れが指摘されていた中小企業にまで具体的な基準が浸透し、サプライチェーンのどこを狙われても防御できる強靭な体制を構築可能です。
また、セキュリティ対策状況が可視化されることで、企業間で安全性の確認に費やしていた時間やコストが大幅に削減されます。これにより、中小企業の事務負担が軽減されると同時に、信頼性の高い事業者への発注集中など、市場健全化への好影響をもたらします。
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サービスの概要資料を受け取るSCS評価制度の開始前に準備しておくべきこと
SCS評価制度の開始に向けて、企業は自社のセキュリティ体制をあらかじめ見直し、計画的な準備を進める必要があります。
評価基準を理解する
SCS評価制度の開始前に準備すべきこととして、評価基準の理解が挙げられます。本制度はセキュリティ対策状況を5段階の星(★)で評価する仕組みであり、段階ごとに要求される対策項目が明確に規定されています。まずは公開されているガイドラインを確認し、各評価段階における具体的な要求水準や審査基準を正確に把握することが重要です。
自社の現状を把握する
自社の現状を把握する段階では、現在の情報セキュリティ対策がどの程度実施されているかを明確にします。具体的には、IPAが提供しているチェックシートなどを活用し、自社のネットワーク環境や端末の管理状況、社員への教育体制を棚卸しします。これにより、客観的な数値や実施状況として自社のセキュリティ立ち位置を正確に把握可能です。
※参考:付録3 5分でできる!情報セキュリティ自社診断 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参考:安全なウェブサイトの作り方 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
目標と現状のギャップを分析する
目標と現状のギャップを分析する段階では、自社が目指す星(★)の基準と現状の対策レベルを比較します。把握した現状を踏まえ、不足しているセキュリティ対策や社内規定を具体的に洗い出す工程が必要です。優先順位を明確にした上で、必要な機器の導入や体制構築に向けた改善計画を策定することが求められます。
継続運用できる体制を整備する
継続運用できる体制を整備する段階では、評価制度への対応を一時的な取り組みで終わらせない仕組みづくりが重要です。セキュリティ対策の担当者や責任者を明確に定めて社内体制を構築し、日々の運用や定期的な監査を組み込みます。
さらに、新入社員を含めた全従業員へのセキュリティ教育を定期的に実施することで、組織全体で高いセキュリティ意識を維持し続ける基盤を整えます。
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サービスの概要資料を受け取るまとめ
SCS評価制度(サプライチェーン・サイバーセキュリティ対策評価制度)は、2026年度から本格的な運用が開始される新しい情報セキュリティ格付けの仕組みです。 本制度の導入により、サプライチェーンを構成する企業は星(★)を用いた共通の物差しでセキュリティ対策水準を可視化できます。
これにより、取引先選定における確認負担が軽減されるとともに、日本国内の産業界全体におけるサイバー防御力の底上げが期待されます。 企業は本格的な開始に向けて、評価基準の理解や自社の現状把握、体制整備といった準備作業を計画的に進めることが必要です。
Cloud Mail SECURITYSUITE(CMSS)は、ビジネスで安全・快適にメールを利用するために必要なセキュリティ機能・管理機能をオールインワンで追加できるシステムです。SCS評価制度において、メール対策も非常に必要です。利用中のMicrosoft 365/Google Workspaceをより安全に運用・管理できる仕組みを構築します。


