メールサーバは、電子メールを送受信する際に欠かせないサーバです。送信用サーバや受信用サーバなどがあり、それぞれ役割が異なります。
今回は、メールが送受信される仕組みや の役割をわかりやすく解説します。メールサーバの設定手順や接続エラーごとの解決策も紹介するので、ぜひ最後までチェックしてください。
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メールサーバとは?
メールサーバは、電子メールの送受信を担うサーバです。メールを送受信する際は、送信用サーバや受信用サーバなどの、複数のメールサーバを複合的に活用します。メールサーバが適切に機能することで、インターネット上でメールを送受信・転送・保管できるのです。
メーラーとの違い
メーラーとは、メールの作成・編集や送受信を行うソフトウェアです。Outlook・Thunderbird・Gmailなどが代表的なメーラーで、メールサーバと接続することでメールを送受信しています。
一方でメールサーバは、メーラーがやりとりするサーバであり、メールデータの中継や保存などの役割を持ちます。メールの送受信を行う際は、メーラーとメールサーバを組み合わせて活用する必要があります。
メールを送受信する仕組み
メールの送受信は、送信者のメールボックス・送信者のサーバ・受信者のサーバ・受信者のメールボックスの順で転送されます。受信者のサーバへ転送する前には、メールの内容や送信元に不備がないか、宛先の照合が行われます。
<メールを送受信する流れ>
- 1.送信者のメールボックスからメールを送信する
- 2.送信者の送信サーバにメールが転送される
- 3.メールの内容に不備がないか認証する
- 4.送信者の送信サーバから受信者の受信サーバにメールが転送される
- 5.受信者のメールボックスが受信者の受信サーバからメールを受信する
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資料ダウンロード代表的なメールサーバ3種類とその役割
メールサーバにはSMTPサーバ・POPサーバ・IMAPサーバの3 種類があり、それぞれメールの送受信における役割が異なります。
サーバ名 | SMTPサーバ | POPサーバ | IMAPサーバ |
役割 | メールを相手の受信サーバまで送信する | SMTPサーバからメールを受信し、メールボックスへ配信する | SMTPサーバからメールを受信し、メールサーバ上にメールを保管する |
SMTPサーバ:送信
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバは、電子メールの送信を行うメールサーバです。メーラーが作成・送信したメールは送信者のSMTPサーバへ転送され、DNSサーバを通して宛先の照合やドメイン認証を行った後、受信者のSMTPサーバに転送されます。
POPサーバ:受信
POP(Post Office Protocol)サーバは、受信メールを受信者のメールボックスに配信する役割を持ちます。現在おもに使用されているPOPサーバは、「POP3」とよばれるものです。
受信者のPOPサーバは、SMTPサーバが受信したメールをメールボックスから取得し、各メールボックスへと配信します。POPサーバでは、一度取得したメールはサーバ上から削除され、受信者の各端末に保存されます。
そのため、インターネット環境がなくてもメールを閲覧できますが、複数のデバイス間での同期が難しいというデメリットがあります。
IMAPサーバ:受信
IMAP(Internet Message Access Protocol)サーバも、POPサーバと同じくメールの受信を行うサーバです。POPサーバと同様に、SMTPサーバを通して送られてきたメールを受信しますが、受信したメールの保管方法が異なります。
IMAPサーバでは、メールを各端末に配信するのではなく、サーバ上で保存・管理します。ユーザがメールを確認する際は、メーラーを使ってIMAPサーバにアクセスし、サーバ上で閲覧を行うのが特徴です。
メールが各端末にダウンロードされないため、複数のデバイスで同期することができますが、インターネット環境がないとメールを確認できません。また、定期的なサーバの容量管理も必要です。
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資料ダウンロードDNSサーバ:メール配送に不可欠なインフラ
DNSサーバは、メールの宛先となるドメイン名をIPアドレスに変換し、メールの送信先を照合する役割を担います。
送信されたメールが送信者のSMTPサーバに到達した後、SMTPサーバがDNSサーバにドメイン名を問い合わせ、対応するメールサーバのIPアドレスを取得する形で照合を行う仕組みです。
また、なりすましメールやメールの偽装防止のためにSPFやDKIMなどを活用して送信ドメイン認証を行う際も、DNSサーバを介します。
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資料ダウンロードメールサーバの接続設定方法
新規でメールの送受信を行う際は、メールサーバを適切に設定する必要があります。ここからは、メールサーバを正しく接続するための設定方法を解説します。
ドメインを取得する
メールサーバを利用する際は、はじめに独自ドメインの取得が必要です。ドメインはインターネット上でWebサイトやメールアドレスを判別する住所にあたるもので、メールを送受信する際にも使用します。ドメインを取得する際は、ドメイン取得サービスを利用するのがおすすめです。
ドメインを設定する
取得したドメインをメールに利用するためには、DNSサーバ上でドメイン設定を行う必要があります。DNSサーバの管理画面からSPF・DKIM・DMARCなどのレコードを設定します。
ドメイン認証の設定を行うことで、メールを送受信する際のセキュリティチェック体制を整備できます。
メールアカウントを発行する
ドメインとサーバの設定が完了したら、次にメールアカウントを作成します。アカウントのユーザ名やパスワードを設定したら、それぞれのアカウント情報を適切に保管・管理しましょう。ビジネスメールの場合は、部署や担当業務の共通アドレスなども作成しておくと便利です。
メーラー側の設定をする
メーラーでメールアカウントを使えるようにするには、メーラーに受信・送信サーバの情報を設定する必要があります。SMTPサーバ・POPサーバ・IMAPサーバのそれぞれのサーバ情報を正しく入力し、パスワードや認証の有無なども登録しましょう。
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資料ダウンロードメールサーバでエラーが発生した場合の解決策
メールを送受信する際、まれにメールサーバ上でエラーが発生するケースがあります。エラーが発生した際は、原因を突き止めたうえで、すみやかに解決策を講じましょう。
550エラー:受信者が存在しない
550エラーは、宛先のユーザ名やメールサーバが特定できなかった際に表示されるエラーです。「550 UserUnknown」と表示された場合はユーザ名のエラー、「550 HostUnknown」と表示された場合はメールサーバのエラーが起こっています。
主な原因は宛先の誤入力ですが、受信先のDNSサーバの設定に誤りがあるケースもあります。
551エラー:宛先が無効になっている
551エラーは、宛先が無効になっているときに表示されます。こちらのエラーもメールアドレスの打ち間違いが主な原因ですが、宛先がそのサーバに存在しないケースも考えられます。
552エラー:容量の超過
552エラーは、送信しようとしたメールの容量が送信先のメールサーバの制限を超えた場合に発生します。こちらのエラーが表示された場合は、添付ファイルが大きすぎることや、送信先のメールサーバの容量が満杯になっていることが考えられます。
対処法として、添付ファイルを分割する・圧縮する・ファイル転送サービスを使うなどの方法があります。
553エラー:認証エラー
553エラーは、メールを送信する際の認証でエラーが発生した際に表示されます。メーラー内のアカウント設定や送信認証設定に不備があるケースが多いため、設定を見直すことが有効です。
554エラー:送信サーバのエラー
554エラーは、配送先のメールサーバとの通信に失敗したときに表示されます。こちらのエラーが表示された場合、送信先のメールサーバの設定の不備やサーバの不具合が考えられます。
エラーの原因が不明で解決できない場合
エラーの原因が特定できない場合は、インターネットの接続状況やサーバ側の障害を疑いましょう。回線が不安定で接続できない・プロバイダーやドメイン契約の期限切れ・サーバ側のメンテナンスなどが原因でエラーが発生するケースもあります。
それでも特定できなかった場合は、メーラーのサポートへ問い合わせるのも1つの方法です。
【考えられるエラーの原因】
- ・インターネットに接続できない状態、または不安定な状態である
- ・メールサーバ側で障害が発生していたりメンテナンスが行われていたりする
- ・ドメインやプロバイダーの有効期限が切れている
- ・メーラーの設定に誤りがある
- ・セキュリティ対策ソフトが接続をブロックしている
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資料ダウンロードメールサーバの選び方
利用するメールサーバを選ぶ際は、自社の規模や運用方針に合った機能を持つサービスを選定することが重要です。登録できるアドレスや容量に制限があるかどうか、ウイルスやスパムへの対策が講じられているかなどを総合的に判断し、適切なサービスを提供するサーバを選びましょう。
【メールサーバを選ぶときのチェックポイント】
- ・登録できるアドレス数に制限がないか
- ・サーバの容量が大きいか
- ・セキュリティ機能が充実しているか
- ・サポート体制が充実しているか
- ・維持コスト
- ・サーバを自社で持つか共用で管理するか
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資料ダウンロードまとめ
電子メールを送受信するためには、SMTPサーバやPOPサーバなど、メールサーバを正しく設定することが重要です。メールサーバはさまざまなプロバイダーから提供されているため、自社に合ったサーバを選択しましょう。
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