スニッフィングは、サイバー攻撃の手法のひとつです。スニッフィング攻撃は企業に大きなダメージをもたらす恐れがあるため、万全の対策が欠かせません。
本記事では、スニッフィングの基本的な仕組みや手口、企業にとってのリスクなどを解説します。有効な対策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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スニッフィングとは?
スニッフィングとは、ネットワーク上のパケット通信を傍受し、情報を盗み見ることです。スニッフィング自体は不正な目的以外でも使用されますが、サイバー攻撃の手段として用いられることもあります。
スニッフィングの基本的な仕組み
ネットワーク上を流れるデータは、「パケット」と呼ばれる小さな単位に分割されています。パケットは分割されたデータの一部ですが、連続して傍受されると全体のデータが復元される可能性があります。
そのため、ネットワーク上を流れるデータを解読され、機密情報が外部に漏洩する恐れがあります。
中間者攻撃との違い
中間者攻撃とは、スニッフィングと同様、データ通信を標的としたサイバー攻撃です。
スニッフィングはネットワークに流れるデータの傍受に的を絞った手法であるのに対し、中間者攻撃は通信を行う二者間に割り込んで通信経路を築き、さまざまな攻撃を行います。
中間者攻撃は、傍受に加えてなりすましや改ざんも可能なため、より複雑で多様な被害をもたらす場合があります。
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資料ダウンロードスニッフィング攻撃による被害とリスク
スニッフィング攻撃の標的になると、企業にどのような被害がもたらされるのか、リスクについて解説します。
スニッフィングの標的になるデータ
スニッフィング攻撃の標的になりやすいデータは、以下の通りです。
- ・ユーザID
- ・パスワード
- ・クレジットカード情報
- ・取引先情報
- ・財務データ など
不正に取得したID・パスワードを使って従業員になりすまし、クラウドストレージ内の機密情報にアクセスするといったように、さらなる情報漏洩につながる危険性があります。
スニッフィング攻撃が企業にもたらすリスク
スニッフィング攻撃によりパケット通信の情報を傍受されると、企業の機密情報や個人情報が外部に漏洩する恐れがあります。例えば、発表前の商品・サービスのデータや営業秘密が流出すれば、企業にとっては大きなダメージとなります。
また、世間からセキュリティ体制が問題視されれば、社会的信用の低下を招きかねません。顧客の個人情報が流出した場合は、損害賠償請求を起こされるリスクもあります。
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資料ダウンロードスニッフィングの手口
スニッフィング攻撃では、有線LANと無線LANの場合で異なる手口が用いられます。
有線LANの場合
有線LANのパケット通信が標的になるケースでは、ローカルエリアネットワーク(LAN)内のデータ通信を監視・分析する「LANアナライザ」が悪用される場合が多くあります。LANに不正侵入してデバイスにLANアナライザを仕掛け、ネットワーク内で送受信されるデータを盗み見るといった手口です。
有線LANとしてよく用いられるイーサネットでは、かつてはリピータハブが使われていましたが、現在はスイッチングハブが主流です。スイッチングハブでは通常、宛先以外のデバイスにはパケットが送信されませんが、ARPスプーフィングなどの手法でスイッチングハブでも傍受が可能になる場合があります。
無線LANの場合
Wi-Fiをはじめとする無線LANでは、電波を傍受することでデータを不正に取得する手口が用いられます。具体的な手口の例は、以下の通りです。
- ・建物の外に漏れ出た電波を傍受する
- ・飲食店や駅などで、フリーWi-Fiのアクセスポイントを偽装する
無線LANでやりとりされるデータは、暗号化されていない場合、電波が届く範囲内で誰でも傍受できてしまうため、有線LANと比べてセキュリティリスクが高いといえます。無線LANのデータは暗号化されるケースが一般的ですが、暗号化の方式によっては注意が必要です。
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資料ダウンロードスニッフィング対策に有効な取り組み
ここからは、スニッフィング対策につながる取り組みについて解説します。情報漏洩を防ぐため、万全の体制を整えましょう。
ネットワークトラフィックを監視する
スニッフィング攻撃による被害を予防するには、ネットワークトラフィックを監視することが重要です。
ネットワークトラフィックとは、ネットワーク上でやりとりされるデータ通信量のことです。スニッフィングはパッシブ攻撃であるため、トラフィック監視だけでは検知が難しい場合もありますが、異常な通信や不審なデバイスの接続を早期に発見するために有効です。
侵入検知システムや侵入防止システム、ネットワーク監視ツールなどの導入がおすすめです。
暗号化で通信内容を保護する
暗号化とは、第三者にデータを盗み見られないよう、解読できない形へ加工することです。
スニッフィングによる情報漏洩を防ぐためには、暗号化されている通信の利用が推奨されます。
Wi-Fi(無線LAN)に接続する場合
フリーWi-Fiへの接続は基本的に推奨されませんが、やむを得ず接続する場合は、鍵マークがあることを必ず確認しましょう。鍵マークがない接続は暗号化されていないため、スニッフィングの被害に遭うリスクが高まります。また、暗号化の方式を確認することも重要です。
無線LANの代表的な暗号化方式は、以下の4つです。
- ・WEP
- ・WPA
- ・WPA2
- ・WPA3
下にいくほど新しい暗号化方式であり、セキュリティリスクが低減できるといえます。社内でWi-Fiネットワークを使用する場合も、なるべく最新の暗号化方式を採用することが大切です。
Webサイトにアクセスする場合
Webサイトにアクセスする場合は、そのサイトが「TLS( Transport Layer Security)」によって保護されていることを確認します。
TLS方式によって保護されたWebサイトは、通信内容の暗号化が可能であり、通信の安全性が確保されています。WebサイトのURLの始まりが「https://」と、httpの後ろに「s」が付いていることが目印です。
自社サイトを運営する場合にも、TLS方式の導入により通信を暗号化することが大切です
メールを送受信する場合
スニッフィング攻撃では、メールの内容が標的となる場合があるため、セキュリティ対策が欠かせません。
メールの暗号化記述には、上述のTLS方式のほかに、メールの本文や添付ファイルを暗号化する「S/MIME方式」があります。
これらの技術を使ってメールの内容を暗号化したい場合は、対応するメールソフトの導入がおすすめです。
OSやソフトウェアを最新の状態に保つ
OSやソフトウェアの既知の脆弱性は、攻撃者にとって格好の的です。OSやソフトウェアのアップデートには、既知の脆弱性を修正するセキュリティパッチが含まれる場合があります。
アップデートの通知があった場合は速やかに適用し、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保ちます。
従業員へのセキュリティ教育を行う
セキュリティ関連のインシデントは、従業員の不注意によって起こる場合があります。
サイバー攻撃によるリスクを抑えるためには、従業員1人ひとりのセキュリティ意識を向上させることも重要です。社内向けの研修により、スニッフィングの基本的な仕組みや脅威、効果的な対策について周知します。
VPNを利用する
VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に構築された仮想プライベートネットワークです。VPNを利用すると、通信が暗号化され、データへの不正アクセスを阻止できます。
フリーWi-Fiのように安全性の低いネットワークに接続する場合も、VPNを利用すればスニッフィングのリスク低減が可能です。
セキュリティツールを導入する
スニッフィングをはじめとしたサイバー攻撃への対策には、セキュリティツールの導入が欠かせません。例えば、セキュリティツールの「ネットワーク分離」や「アクセス制御」などの機能を利用すれば、攻撃者による不正アクセスを遮断できます。
また、スニッフィングの検知・ブロックが可能なツールも多く、被害を最小限に抑えられます。
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資料ダウンロードインシデント対応計画の策定も重要
万全のセキュリティ対策を実施しても、サイバー攻撃による被害リスクをゼロにすることはできません。
万が一、攻撃を受けた場合に備えて、インシデント対応計画を策定することも重要です。インシデント発生時の対応手順や役割分担などを明確化することで、被害拡大を防げます。
また、インシデント対応計画に沿って定期的に訓練を行い、実効性を高めることも有効です。インシデント対応計画の見直しとブラッシュアップも重要な対策のひとつです。
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資料ダウンロードまとめ
スニッフィングとは、ネットワーク上のパケット通信を傍受し、データを盗み見る攻撃手法です。
スニッフィング攻撃による情報漏洩は、企業に重大なダメージを与える可能性があります。スニッフィング対策には、安全性の高い通信を利用する、セキュリティツールを導入するなどが有効です。
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