情報システムやDX関連部門を担当する際、自社の情報流出対策を考えていると、「ドッペルゲンガードメイン」という言葉を耳にした人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ドッペルゲンガードメインについて、基礎知識を分かりやすく解説します。また、発生パターンや被害事例、被害に合わないための対策なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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ドッペルゲンガードメインとは何か?基礎知識を解説
ドッペルゲンガードメインとは、正規ドメインに酷似している偽のドメインのことです。なお、ドッペルゲンガードメインという名前は、自分と同じ姿をした人間を見る幻覚である「ドッペルゲンガー」が元になっているとされています。
正規のドメイン名の一部を変更したり、文字を抜いたりして、入力ミスや誤認を狙って取得されます。世界で広く利用されているドメインである「@gmail.com」に酷似した「@gmai.com」を故意に作成され、情報漏洩やフィッシング目的で利用されることがあります。
ただし、全てのドッペルゲンガードメインが、情報を悪用するために作成されているわけではありません。ブランド保護の目的であったり、ドメイン作成時に類似ドメインを誤って作成してしまったりするケースもあります。
ドッペルゲンガードメインが悪用される仕組み
攻撃者は、正規のドメインに似せた偽のドメインを取得します。このドメインを実在するものとして機能させて、利用者の入力ミスによるメールの誤送信を待ち構えます。
通常は、存在しない宛先からはエラー通知が返されますが、メールサーバの設定により誤ったアドレス宛てのメールも受信するように構築されている場合があります。エラー通知が届かないと送信者は間違いに気付かず、メールを送り続けるおそれがあります。
このようにして収集されたメール内の個人情報や機密情報が窃取されて、不正利用や情報漏洩につながる可能性があります。また、偽のウェブサイトへ誘導し、情報を盗み取る手口にも利用されます。
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資料ダウンロードドッペルゲンガードメインの手口
ドッペルゲンガードメインの悪用には、さまざまな手法があります。ここでは、代表的な2つの手口について解説します。
誤入力を狙う「タイポスクワッティング」
タイポスクワッティングは、タイプミスを意味する「typo」と不法占拠を意味する「squatting」を合わせた造語で、利用者の入力ミスを悪用する攻撃手法です。
攻撃者は文字の省略や入れ替え、隣接キーの誤入力などを狙って正規サイトに酷似したドメインを登録します。 利用者が本物のサイトと誤認してアクセスすると、フィッシングによる認証情報の窃取や不正なサイトへの誘導といった被害にあう可能性があります。
全てのメールを受信する「キャッチオール」
キャッチオールとは、宛先のメールアドレスが存在しない場合でも、全てのメールを受信できるようにする設定です。攻撃者は、この機能を利用して、入力ミスによって誤送信されたメールをまとめて受信します。
キャッチオール設定においてはエラー通知が送られないため、送信者は宛先の誤入力に気付くことができません。結果的に、個人情報や機密情報が外部に漏洩する危険性が高まります。
ドッペルゲンガードメインへの誤送信が発生するパターン
ドッペルゲンガードメインへの誤送信は、利用者の入力ミスによって発生します。ここでは、どのようにしてドッペルゲンガードメインにメールが送られてしまうのかを解説します
スペルミス
スペルミスは、手入力でメールアドレスを入力する際に、スペルの打ち間違えや文字が抜けてしまう例です。「@gmail.com」を例にすると、「@gmeil.com」や「@gmai.com」としてしまうミスなどがあります。
文字誤認
文字誤認とは、「l」を数字の「1」と見間違えたり、「o」を数字の「0」と見間違えたりするケースです。「@gmail.com」の場合、「@gmai1.com」としてしまうなどが考えられます。
ドット抜け
「〜.com」や「〜.co.jp」などドメインには「ドット」が含まれていますが、見落としたり入力し忘れたりするケースもあります。
誤った記号の追加
「-(ハイフン)」を「_(アンダーバー)」と誤認識して打ち間違え、誤ってドッペルゲンガードメインにメールを送信してしまうケースもあります。例えば、「@cyber-solutions」とすべきところ「@cyber_solutions」としてしまうなどです。
別TLD(トップレベルドメイン)
TLDと略される「トップレベルドメイン」とは、URLの最後に記載されている「.com」などのことです。この他にもTLDには、「.net」や「.org」などの汎用(はんよう)トップレベルドメイン、「.jp」「.us」「.cn」といった国別トップレベルドメインがあります。
これらを打ち間違えて、ドッペルゲンガードメインに誤送信してしまうケースが見られます。
別TLD(トップレベルドメイン)統合
別TLD(トップレベルドメイン)統合とは、「.com」や「.jp」などを「@gmail.com」であるところ「@gmail.com.jp」としてしまうように、誤って複数入力することによるミスです。
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資料ダウンロードドッペルゲンガードメインへの誤送信が「気付かぬまま被害化する」3つの背景
ドッペルゲンガードメインへの誤送信は容易に起こり得るとされています。ここではなぜ生じやすいのかを解説します。
無意識の思い込み:日常業務での「入力慣れ」による見落とし
日常的にメールを利用しているユーザでも、うっかりミスで送信先を誤入力してしまい、ドッペルゲンガードメインにメールを誤って送信してしまうことが少なくありません。普段入力し慣れているドメインゆえに、誤って入力したことに気付かずに送信することもあります。
最大のリスク:存在しない宛先のような「エラーメール(バウンス)」が返ってこない
誤入力によりメールを送信した場合、存在しないアドレスであれば、エラーが出るため即座に気付きます。しかし、ドッペルゲンガードメインに誤って送信してしまった場合は、送信できているため、エラーが届きません。誤送信の発覚が遅れて、被害を受ける危険性があります。
攻撃側の周到さ:AIや生成ツールにより「偽の受け皿」が大量に待ち構えている
ドメイン名は、すでに存在しているドメインでなければ簡単に作成できます。本人確認が不要で、匿名でも作成できるものもあり、悪用目的の作成も可能です。そのため、ドッペルゲンガードメインを悪用しようとする人や団体は、AIや類似ドメイン作成ツールを利用して短時間で大量の偽ドメインを取得することもあります。
ドッペルゲンガードメインの脅威とは
ここでは、ドッペルゲンガードメインへの誤送信がもたらす被害について解説します。
情報漏洩などの大規模被害につながるリスクがある
ドッペルゲンガードメインに誤送信したメールに、会社の機密情報や取引先とのやり取りが記載されていた場合は、重要な情報が外部に流出してしまいます。
情報が漏洩したら、会社の信用問題に発展する恐れもあり、最悪の場合損害賠償請求を受ける可能性もあります。その他にも、不正アクセスによるサイバー攻撃や、情報漏洩によるインサイダー取引に悪用されるなどの危険性も考えられます。
なりすましドメインによるフィッシング被害がある
取引先のアドレスに酷似したなりすましドメインからメールが送付された場合、それに気づかず、偽サイトへのアクセスに誘導されるケースがあります。
また、なりすましドメインを利用して、企業間のやり取りを偽装すれば、不正送金や機密情報窃取に利用される可能性も考えられます。
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資料ダウンロードドッペルゲンガードメインによる情報流出・漏洩の事例
国内で起きたドッペルゲンガードメインによる情報流出などの事例を紹介します。
メール誤送信による情報流出
ある大学で2018年から2023年の5年にわたり、エラー通知が届いて誤送信が発覚するまでの間、個人情報1793件を含む計4511件のメールが、送るはずでない宛先に送付されていました。送付先のドメインは、本来「@gmail.com」であるところ、誤りに気づかず「@gmeil.com」に送信していました。
個人情報を含むメールを誤送信
2024年3月、ある団体において、職員がドメイン入力を誤り、個人情報を含むメールを第三者に送信してしまいました。 宛先のドメインを「@gmail」とすべきところを誤って「@gmai」と入力したことで、98名分の団体名、氏名、生年月日、年齢などが記載された添付ファイルが、ドッペルゲンガードメインに誤送信されました。
同団体は対象者への説明と謝罪をするとともに、関係省庁や警察への報告をしています
患者データの情報漏洩
2024年2月、ある大学病院に勤務していた非常勤の医師が、個人で所有しているパソコンでインターネットを閲覧していた際に、サポート詐欺に遭いました。
該当医師は、患者の個人情報を院外に持ち出していたため、研究目的で収集した患者2003人の氏名や年齢、診療情報が外部に流出する可能性がありましたが、現在までに情報漏洩は報告されていません。
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資料ダウンロードドッペルゲンガードメインへの誤送信や情報漏洩防止の防止策
ドッペルゲンガードメインへのメールの誤送信や情報漏洩を防ぐには、以下の対策を検討してみてください。
メール送信時の宛先確認を徹底する
メールを送信する際には、宛先に間違いがないかを確認します。大まかに見たり「@」の前だけを確認したりするのではなく、1文字ずつ抜けや誤りがないかをチェックするのが大切です。入力者だけではなく、他の人がダブルチェックすることも必要です。
メールシステムのセキュリティを強化する
人による目視チェックには限界があるため、必要に応じてメールシステムのセキュリティ強化を検討することが重要です
利用するメールシステムによって、特定のドメインにメール送付ができない機能や、指定ドメイン以外へのメール送信時に警告表示が出るものなどがあります。自社に必要な機能や予算に応じて検討できます。
従業員教育の実施
メールの誤送信や情報漏洩被害に遭わないためには、ルールやシステムの見直しだけでなく、従業員の意識づけも重要です。ドッペルゲンガードメインがなぜ危険性なのか理解し、対策を理解する場を設けてください。
従業員のセキュリティリテラシーが高まれば、ドッペルゲンガードメイン対策への意識も向上します。
メール誤送信対策のソフトを導入する
セキュリティ強化とともに、メール誤送信対策のソフト導入を検討する必要があります。メール誤送信の対策ソフトには、多くの機能が搭載されているため、ドッペルゲンガードメイン対策だけではなく、メール送信に関するさまざまなリスク回避に役立ちます。
例えば、複数アドレスにメールを送信する際には、自動でBCCに変更して宛先の漏洩を防ぐ機能が挙げられます
自社ドメイン・類似ドメイン名を監視する
ドッペルゲンガードメインの被害を防ぐには、自社名や商標に類似した偽ドメインの登録状況の監視が不可欠です。 専門のモニタリングサービスや類似文字列のチェックにより不審な取得を迅速に検知できれば、フィッシング詐欺や誤送信を防げます。また、正規ドメインの第三者による乗っ取りを回避するために、管理も徹底しなければなりません。
不審なドメインを発見した場合には、関係機関への通報や顧客・取引先への注意喚起など、速やかな対応が必要です。
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資料ダウンロードまとめ
多くの企業で、従業員や企業間でのやり取りにメールが利用されていますが、誤入力などによりドッペルゲンガードメインへメールを誤送付してしまうと、情報漏洩や信用問題に発展する恐れがあります。
誤送信対策には、従業員の意識づけに加え、メール送付ルールの見直しやセキュリティ強化、対策ソフトの導入がおすすめです。
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