サプライチェーンリスクの概要や具体的な発生原因、企業が被る影響について詳しく解説します。適切なマネジメント体制の構築手法や対策のポイントを提示し、自社および供給網全体におけるセキュリティ向上と事業継続性の確保を実現するノウハウをお届けします。
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サプライチェーンリスクとは
サプライチェーンリスクとは、製品の原材料調達から製造、物流、販売に至る一連の供給網(サプライチェーン)において、事業の継続を阻害する様々な要因のことです。近年は企業のIT依存度が高まったことで、セキュリティ対策の脆弱な子会社や取引先を経由して本丸の企業へ侵入する「サプライチェーン攻撃」が急増しています。一社のみの防御では防ぎきれないため、供給網全体の脅威として対策が求められます。
※参考:サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度) (METI/経済産業省)
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サービスの概要資料を受け取るサプライチェーンリスクの種類
サプライチェーンリスクには様々な種類が存在します。主な分類について順に解説します。
ソフトウェアサプライチェーン攻撃
ソフトウェアサプライチェーン攻撃とは、ソフトウェアの開発工程や配布ルートに攻撃者が侵入し、悪意のあるプログラムを仕込む手法です。開発元が正規に提供するアップデートやプログラムを通じて配信されるため、利用企業側での検知が極めて困難です。結果として、当該ソフトウェアを利用する多数の企業へ一斉に被害が拡大する危険性があります。
※参考:サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度) | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
ビジネスサプライチェーン攻撃
ビジネスサプライチェーン攻撃とは、セキュリティ対策が手薄な関連企業や子会社、取引先などを最初の足がかりとし、標的企業へ侵入する攻撃手法です。取引先との間で使用されるメールアカウントや業務システムのアカウントが乗っ取られ、正規の取引を装ってウイルス添付メールが送信されるケースなどが存在します。
※参考:指示9 ビジネスパートナーや委託先等を含めたサプライチェーン全体の状況把握及び対策 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
サービスサプライチェーン攻撃
サービスサプライチェーン攻撃とは、業務委託先やクラウドサービス事業者など、外部のサービス提供企業を経由して標的の組織へ侵入する手法です。委託先のアクセス権限や管理基盤の脆弱性が悪用された場合、委託元企業が保有する重要データの漏洩やシステム破壊へ直接つながるリスクが存在します。
※参考:指示9 ビジネスパートナーや委託先等を含めたサプライチェーン全体の状況把握及び対策 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
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サービスの概要資料を受け取るサプライチェーンリスクが発生する原因
サプライチェーンリスクが発生する背景には、多様な要因が複雑に絡み合っています。代表的な原因を3つの観点から解説します。
セキュリティの脆弱性をつく不正アクセス
サプライチェーンリスクが発生する大きな要因として、システムやネットワークの脆弱性を狙った不正アクセスが挙げられます。特にセキュリティ対策が十分に行き届いていない子会社や取引先の管理基盤が狙われる傾向にあります。侵入経路として悪用された企業からネットワークを通じて標的企業のシステムへ不正アクセスが実行され、被害の拡大を引き起こします。
※参考:サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度) (METI/経済産業省)
内部の人的ミスや不正行為
サプライチェーンリスクが発生する原因として、組織内部における人の行動も挙げられます。従業員による設定ミスやフィッシングメールの不注意な開封といった誤操作が、システム侵入のきっかけとなる事例は少なくありません。また、内部関係者が不正にアクセス権限を悪用し、重要な情報を持ち出すリスクにも注意が必要です。
※参考:組織における内部不正防止ガイドライン | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
関連企業のサイバー攻撃による被害
サプライチェーンリスクを誘発する原因として、自社ではなく取引先や関連企業がサイバー攻撃を受ける事態が挙げられます。委託先や供給元のシステムがランサムウェアなどの攻撃によって停止した場合、自社の製品製造やサービス提供が即座に滞る事態へと発展します。自社単体のセキュリティを強化するのみでは防ぎきれない点が、この要因の深刻な特徴です。
※参考:プラクティス9-2 サプライチェーンで連携する各社が『自社ですべきこと』を実施する体制の構築 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
取引先や関連企業を装ったメールによる攻撃
取引先や関連企業を装ったメールを利用した攻撃も、サプライチェーンリスクを引き起こす要因の一つです。攻撃者が実在する取引先や担当者になりすまし、請求書の変更や送金先の変更を依頼することで、金銭的な被害につながるケースがあります。また、メールに添付されたファイルやURLを利用して、マルウェアへの感染や認証情報の窃取を狙う手口もあります。
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サービスの概要資料を受け取るサプライチェーンリスクによる影響
サプライチェーンリスクが顕在化した場合、企業の経営基盤を揺るがす甚大な被害が発生します。具体的な影響について解説します。
※参考:指示9 ビジネスパートナーや委託先等を含めたサプライチェーン全体の状況把握及び対策 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
システム障害による事業やサービスなどの停止
サプライチェーンを構成する企業でシステム障害が発生した場合、自社の事業活動やサービス提供が完全に停止するリスクがあります。特に製造業や物流業においては、受発注システムや工場ラインの制御システムがダウンすることで、供給網全体で業務が停滞します。結果として、納期の遅延や取引先への賠償責任など、極めて深刻な事態へと発展します。
情報漏洩による信頼の低下
サプライチェーン内の企業を経由してシステムに侵入された場合、保有する重要データや個人情報の漏洩につながる危険性があります。一度情報漏洩が発生すると、顧客や取引先からの信用は著しく失墜します。損害賠償への対応や行政指導を受けるリスクも生じるため、企業の社会的評価へ大きな悪影響を及ぼします。
金銭的被害や法的責任
サプライチェーンリスクが顕在化した場合、巨額の金銭的被害や法的責任が発生します。システムの復旧費用や調査費用に加え、損害賠償金の支払いが求められるケースが存在します。さらに、法令違反による罰則や取引停止処置を受けることで、企業の事業継続が困難になる深刻な事態へ繋がります。
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サービスの概要資料を受け取るサプライチェーンリスクへの対策
サプライチェーンリスクを軽減するためには、自社のみならず供給網全体を見据えた段階的な対策が必要です。主な対策手順について順に解説します。
※参考:サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度) (METI/経済産業省)
自社のセキュリティ状況を把握する
サプライチェーンリスク対策の第一歩は、自社のセキュリティ対策状況を客観的に把握することです。ネットワーク機器や利用中のソフトウェア、アカウントの管理状態を可視化し、潜在的な脆弱性を特定します。情報資産の棚卸しとリスクアセスメントの実施により、強化すべき課題が明確になります。
マネジメント戦略の計画を策定する
把握した自社の現状に基づき、サプライチェーンリスクマネジメントに関する計画を策定します。リスクの優先度を設定し、セキュリティポリシーの改定や緊急時の対応マニュアルを整備することが重要です。取引先との契約内容にセキュリティ基準を盛り込み、管理体制の標準化を進めます。
定期的なリスクの監視と改善を継続する
計画に基づいた対策を実施した後は、定期的な評価と見直しを継続します。新たなセキュリティ脅威の発生やシステム環境の変化に合わせて、リスクの監視と評価を更新することが欠かせません。課題が発見された際には速やかに改善を図り、サプライチェーン全体におけるセキュリティ基準の維持につなげます。
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サービスの概要資料を受け取るサプライチェーンリスクマネジメントとは
サプライチェーンリスクマネジメントとは、自社を含めた供給網全体におけるリスクを特定し、影響を最小限に抑えるための継続的な管理活動です。サイバー攻撃や自然災害など、事業継続を脅かす要因に対して組織的に予防・対応体制を整えます。単一の企業防衛を超えた全体最適のセキュリティ管理が求められます。
サプライチェーンリスクマネージメントの重要性
サプライチェーンリスクマネージメント(SCRM)の重要性が高まっている背景には、事業継続性の確保と企業価値の維持が存在します。複雑化した供給網においては、一部の取引先におけるセキュリティインシデントが自社全体へ波及します。被害の未然防止や拡大予防を図り、自社および供給網の社会的信用を守る取り組みが不可欠です。
※参考:サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度) (METI/経済産業省)
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サービスの概要資料を受け取るサプライチェーンリスクマネジメントを実施する際のポイント
サプライチェーンリスクマネジメントを効果的に運用するためには、いくつかの重要なポイントが存在します。適切な手順を踏むことが成果につながります。
目的を明確にして導入する
サプライチェーンリスクマネジメントを円滑に推進するためには、目的を明確化して導入することが欠かせません。単なる形式的な導入にとどまらず、自社および供給網全体でどのようなリスクを防ぎ、事業の継続性を確保するかという方針を具体化します。目的の明確化によって、社内や取引先との意識共有がスムーズに行われます。
セキュリティ対策の実施状況を評価・管理する
サプライチェーンリスクマネジメントを継続させるには、自社および取引先のセキュリティ対策実施状況を定期的に評価・管理することが重要です。チェックリストや第三者機関の評価指標を活用し、基準を満たしているか客観的に確認します。
特に、攻撃経路として悪用される可能性があるメールへの対策についても、送信ドメイン認証の導入やスパム対策などが適切に実施されているか確認することが重要です。また、経済産業省などが推進するSCS評価制度も、サプライチェーンを構成する企業のセキュリティ対策状況を評価・可視化する取り組みとして注目されています。
課題が発見された場合は速やかに是正措置を求め、サプライチェーン全体の安全性を高めます。
SCS評価制度を活用してセキュリティ対策を評価する
SCS評価制度は、サプライチェーンを構成する企業のセキュリティ対策状況を共通の基準で評価・可視化し、全体のセキュリティ水準を高めるための仕組みです。委託元が委託先に適切なセキュリティ対策の段階を示し、その実施状況を確認することなどが想定されています。
企業ごとに異なるセキュリティ対策の状況を一定の基準で評価することで、取引先を含めたサプライチェーン全体のセキュリティ水準を把握しやすくなります。
インシデント対応の体制を構築する
サプライチェーンリスクマネジメントを機能させるためには、有事を想定したインシデント対応体制の構築が必要です。万が一、自社や取引先でセキュリティ事故が発生した場合における連絡網や報告手順をあらかじめ明確化します。
迅速な原因究明や被害範囲の特定に備え、送受信メールやアクセスログなどの電子データを適切に確保・保全する体制を整えておくことも重要です。被害の拡大を防ぐ初動対応と、速やかな復旧に向けた手順を整えることで、組織への被害を抑えられます。
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サービスの概要資料を受け取るまとめ
サプライチェーンリスクは、自社単体のみならず供給網全体に深刻な被害を及ぼす重大な脅威です。被害の発生を防ぎ事業の継続性を確保するには、自社や取引先におけるセキュリティ対策の実施状況を客観的に評価し、適切なマネジメント体制と有事の対応手順をあらかじめ整備することが不可欠となります。
定期的なリスク監視と改善活動を継続的に行い、供給網全体で強固なセキュリティ基盤の構築を推進することが、企業価値の維持と信頼の確保につながります。
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