企業が保持する情報資産は、顧客情報や従業員情報、財務情報など多岐にわたります。情報資産は適切に管理しなければ、信頼の喪失や法的リスク、サイバー攻撃の脅威にさらされる恐れがあるため、注意が必要です。この記事では、情報資産の種類や重要性、管理方法、対策について解説します。自社の情報資産を管理する企業担当者は、参考にしてください。
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目次
情報資産とは何か?定義と種類
情報資産の定義と種類、企業が保有する情報資産の具体例について解説します。
情報資産の定義・意味とは
情報資産とは、組織や個人が持つ人・物・お金に関するデータ情報や、それに関連するデータや機器、ソフトウェアなどのすべてを指します。紙の資料だけでなく、デジタルデータ、契約書、ソースコードなども含まれ、単体では意味がなくても他と組み合わせることで価値が生まれるものも情報資産とされます。
企業や組織の活動で蓄積されるデータは、取引先や顧客とのやり取りを含め、情報資産としての価値を有する可能性があります。
情報資産に含まれるものとは?分類方法
企業が持つ情報資産は、通常「情報資産管理台帳」などを用いて整理・管理されます。分類の手法に明確な決まりはありませんが、JNSA(日本ネットワークセキュリティ協会)は1つの参考として、以下のような分類例を提示しています。
- 情報:電子ファイル、紙など
- ソフトウェア:業務用ソフトウェア、開発用ソフトウェア、事務用ソフトウェア、システムツールなど
- 物理的資産:サーバ、媒体、ネットワーク機器、収容設備など
- サービス:通信サービス、クラウドサービス、空調・電気サービスなど
※参考:情報セキュリティポリシーサンプル 改版(1.0版)概要(2016年3月)|特定非営利法人日本ネットワークセキュリティ協会
企業が保有する情報資産の具体例
情報資産の漏洩は、企業の信頼やブランド価値を大きく損なうリスクがあります。そのため、企業は自社が保有する情報資産を把握し、適切な管理とセキュリティ対策を行うことが重要です。以下は、企業が保有する代表的な情報資産の例です。
- 顧客情報(氏名、連絡先、購入履歴など)
- 従業員情報(人事・給与・健康情報など)
- 財務情報(決算書、予算、資金繰り)
- 事業計画や経営戦略資料
- 契約書や取引記録
- 製品・技術に関する設計データや仕様書
- 取引先情報(仕入れ先・販売先など)
- 社内システム関連情報(構成図、ID・パスワード、ネットワーク情報など)
- 営業ノウハウや業務マニュアル
- 自社ブランドや製品ブランドの情報
- サーバ、ネットワーク機器
- クラウドサービスや通信インフラ
- 利用中の業務ソフトやツール類
上記の情報資産は、企業の競争力や信頼性を支える重要な資源です。
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資料ダウンロード情報資産の管理が求められる理由・重要性
情報資産の管理が求められる理由は、主に3つあります。以下で、それぞれについて詳しく解説します。
信頼の維持・法的リスクの回避
情報資産は企業にとって重要なデータであり、万が一漏洩や不正利用が発生した場合、企業の信頼性やブランド価値に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。特に顧客情報の流出は信頼を失い、ビジネスに大きな影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
さらに、情報資産には法的規制があり、適切に管理しないと罰金や法的措置を受ける恐れがあります。コンプライアンスと情報資産の管理は、企業にとって避けられない重要な課題です。
サイバー攻撃などの脅威に対するセキュリティ強化
サイバー攻撃の脅威が高まるなか、情報資産を守るためにはセキュリティ対策が欠かせません。ハッカーによる不正アクセスや内部の悪意ある行為、ランサムウェア攻撃など、情報資産を狙う脅威は多岐にわたります。
サイバー攻撃の脅威から守るためには、情報資産を厳格に管理し、暗号化やモニタリング、アクセス制御などのセキュリティ対策を強化することが求められます。
関連記事:サイバー攻撃とは?目的や対策方法、被害事例や種類をわかりやすく解説(記事完成後に追記)
業務の効率化・新たなビジネス価値の創造
情報資産の管理が求められる理由には、業務の効率化と新たなビジネス価値の創造があります。セキュリティ対策を実施することで、情報資産を不正アクセスやランサムウェアなどの脅威から守り、業務リスクを低減させ、安全で効率的な運営が実現できます。
また、ビッグデータ解析を活用することで、新商品の開発や販売チャネルの拡充など、新しいビジネス価値の創出が期待できるでしょう。
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資料ダウンロード情報資産を適切に管理するためのステップ
情報資産を正しく管理するためには、必要なステップを踏む必要があります。3つのステップを順を追って解説します。
情報資産のリストアップ
まずは全体像を把握するために、自社で抱える情報資産をリストアップしましょう。各資産を識別し、一意の識別子を割り当て、ファイルサーバや業務端末、クラウドなどに分散している情報資産を整理します。また、情報資産の所有者を明らかにすることで、責任と権限が整理され、効果的に管理できるようになります。
重要度に応じた分類・優先順位の把握
次に、情報資産を重要度に応じて分類し、優先順位を把握しましょう。例えば、財務情報や個人情報のような高い機密性を有するデータは、他の業務データと比べて、より厳格な管理が求められます。情報資産を分類することにより、重要な情報が適切に保護され、リスク管理が効果的に行えます。
また、情報資産ごとに適切な保護方法を決定するため、リスク評価を実施することも重要です。リスクは、機密性、完全性、可用性の観点から評価できます。
保存期間や廃棄する時期の設定
最後に、データの保存期間や廃棄のタイミングを明確に設定しましょう。これにより、必要な情報が適切に保管されるようになります。不必要な情報は適切に廃棄され、リスクを最小限に抑えられるでしょう。
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資料ダウンロード情報資産管理における主なインシデントの発生原因
情報資産を管理する際には、インシデントが発生する可能性があります。以下で、インシデントの発生原因について解説します。
ヒューマンエラーや不適切なアクセス管理による情報漏洩
従業員や関係者のヒューマンエラーや不適切なアクセス管理によって、情報が漏洩する可能性があります。例えば、メールの誤送信や重要データの外部送信、パスワードの共有などが原因で情報漏洩が発生します。
ヒューマンエラーや不適切アクセス管理による情報漏洩を防ぐには、従業員教育やアクセス権限の適切な管理、二要素認証の導入が重要です。対策を事前に実施することで、情報資産を確実に保護できます。
内部不正による情報流出
内部不正による情報流出も、インシデントが発生する原因の1つです。内部不正とは、正規の従業員や関係者が業務上の権限を悪用して行う情報漏洩やデータの削除などの不正行為です。内部からの脅威に対応するためには、アクセス権限の適切な管理や監視体制の強化が不可欠です。
外部からのサイバー攻撃
外部からのサイバー攻撃も深刻なリスクであり、情報の窃取やシステム破壊につながります。サイバー攻撃とは、第三者が組織の情報やシステムに侵入し、情報の窃取やシステム破壊などを行う行為です。サイバー攻撃を防ぐためには、フィッシングやランサムウェアなどへの対策として、侵入検知システムやファイアウォールの導入、システムの定期更新が重要です。
関連記事:サイバー攻撃とは?目的や対策方法、被害事例や種類をわかりやすく解説
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資料ダウンロード情報資産を守るために必要なセキュリティ対策とは
情報資産を守るためには、セキュリティ対策の徹底が必要です。以下で、3つの対策について詳しく解説します。
アクセス管理・権限の設定
情報資産へのアクセスを適切に管理することで、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを減らせます。具体的には、従業員の役職や業務内容に応じてアクセス権限を限定し、重要な情報へのアクセスは最小限に抑えることが重要です。
また、クラウドや共有サーバで管理している場合は、アクセスログの保存と監視により、不正アクセスや情報漏洩のリスクを抑えられます。紙での管理は紛失や閲覧者の特定が難しいため、情報資産は可能な限りデジタル化しましょう。
セキュリティ担当者の配置・従業員への教育による内部リスクの抑止
情報システム部門だけで対応するには限界があるため、各部署にセキュリティ担当者を配置し、部署単位で対策を進めることが重要です。担当者はセキュリティ意識の向上や適切な運用を担います。専任者がいない中小企業でも有効です。さらに、従業員への継続的な教育を行うことで、内部リスクの抑止につながります。
データの暗号化・ウイルス対策ソフトの導入
情報資産を守るためには、物理的・情報的の両面から適切なセキュリティ対策を講じることが大切です。機密情報は保存や送信の際に暗号化し、不正アクセスによる漏えいを防ぎます。また、万が一のデータ消失に備えて、定期的にデータをバックアップし、異なる場所に保管します。
さらに、ウイルス対策ソフトを導入し、常に最新の状態を保つことで、マルウェアや不正通信から情報資産を保護します。
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資料ダウンロードまとめ
情報資産は、企業の信頼や成長を支える重要な資源です。適切な管理とセキュリティ対策を行うことで、リスクを最小限に抑え、ビジネスの安定と発展につながります。まずは自社の情報資産を把握し、優先順位をつけて管理を始めましょう。
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