フィッシング詐欺は、巧妙に作られた偽のWebサイトで、個人情報やアカウント情報を奪う詐欺です。この記事では、代表的な手口や見分け方、具体的な対策方法を解説します。被害に遭った場合の適切な対処法も解説しているので、自社のフィッシング詐欺の対策をしたい人は参考にしてください。
Cloud Mail SECURITYSUITEのサービス資料を受け取る
目次
フィッシング詐欺とは
フィッシング詐欺とは、メールやSMSなどのリンクから偽のWebサイトに誘導し、個人情報やアカウント情報を騙し取る詐欺のことです。以下で、フィッシング詐欺に騙される理由と被害総額、フィッシングメールとスパムメールの違いについて解説します。
フィッシング詐欺に騙される理由
フィッシング詐欺に騙されるのは、偽のメールやWebサイトが本物と見分けがつかないほど巧妙に作られているためです。実在の企業名やロゴ、似たURLが使われており、信じてしまう人が少なくありません。特に、AmazonやLINE、Apple、銀行など、身近な企業が装われることが多く、信憑性が高く感じられてしまいます。
フィッシング詐欺の被害総額
フィッシング対策協議会の発表によると、2025年2月に報告されたフィッシング報告件数は14万1,223件に達しました。さらに、日本クレジット協会のデータによれば、2024年1月~12月までに発生したクレジットカード不正利用被害額は555億円に上ります。いずれも、前年に比べて増加していることがわかっています。
※参考:フィッシング対策協議会 Council of Anti-Phishing Japan | 報告書類 | 月次報告書 | 2025/02 フィッシング報告状況
※参考:クレジットカード不正利用被害の発生状況|日本クレジット協会
フィッシングメールとスパムメールの違い
フィッシングメールとスパムメールは両方とも迷惑メールですが、目的が異なります。フィッシングメールは詐欺を目的としているメールです。一方で、スパムメールは無差別に送られる広告メールです。今後は、スパムメールとフィッシングメールを組み合わせた攻撃も考えられるため、どちらにも注意しましょう。
関連記事:フィッシングメールとは?被害事例と被害に遭わないための対策をわかりやすく解説
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
資料ダウンロードフィッシング詐欺の代表的な手口と具体例
フィッシング詐欺の代表的な手口は、主に4つあります。以下で、それぞれの手口と具体例について解説します。
メール
フィッシング詐欺の代表的な手口として、メールを使った方法があります。銀行やクレジットカード会社、上場企業を装ったメールで、偽のWebサイトに誘導されるケースです。
最近はオンラインショッピングの利用が増えているため、「決済できなかった」といった内容のメールを送り、クレジットカード情報の入力を促されることがあります。また、「不正利用の疑いがあるので確認を」と急かす内容も多いため、注意しましょう。
SMS
SMS(ショートメッセージサービス)を使ったフィッシング詐欺もあります。例えば、宅配会社を装って不在通知で偽サイトに誘導したり、携帯会社を偽ってSMSで未払い料金を知らせたりする手口です。SMSは電話番号を使って送信できるため、無差別にメッセージが届くことがあります。
SNSのDM
X(旧:Twitter)やInstagramなどのSNSのDMを使った手口もあります。実在する銀行や企業を装い、偽のURLをクリックさせてクレジットカード情報を盗む手口です。DMのクローズドな機能を悪用しています。
ウイルス感染
ウイルス感染を使った手口もあります。例えば、ネットサーフィン中に「ウイルス侵入」の偽警告や警告音で焦らせ、高額なウイルス除去費用をカード決済させる手口があります。また、「100円でスマートフォンが買える権利が当選」といった誘いでクレジットカード情報を入力させるケースも見られます。
関連記事:コンピュータウイルスとは?主な感染経路、脅威と対策、感染時の対処法について
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
資料ダウンロードフィッシング詐欺を見分けるための注意ポイント
フィッシング詐欺を見分けるためには、押さえておくべきポイントがあります。以下で、4つのポイントについて解説します。
不審なURL
フィッシング詐欺のメールやSMSなどに添付されたURLは、実在の企業や団体のサイトに似せて作られています。例えば、アルファベットの「o」を数字の「0」に変えたり、大文字の「I」を小文字の「i」に変えたりすることがあります。細かな変更で、本物と区別がつきにくいことが特徴です。
また、公式のURLに似せてUnicode文字を使うこともあります。メールやSMSなどに添付されたURLを安易にクリックせず、検索エンジンを利用して公式サイトにアクセスしましょう。
不安を助長する内容
フィッシング詐欺のメールやSMSなどは、受け取った人の不安を煽る内容が特徴です。例えば、「カード利用を制限しました」「不正利用を確認しました」など、急いで対応しないと大変なことになるように感じさせます。急かされることで冷静な判断を失わせ、リンクをクリックさせる狙いがあるため、注意しましょう。
不自然な日本語
フィッシング詐欺のメールやSMSなどには、不自然な日本語が用いられていることがあります。例えば、「あなた様が本物であることをすぐに確認すべきです。会員番号や暗証番号などを入力しなければなりません。」といった文章です。文法がおかしい、または意味が通りにくい表現があれば、フィッシング詐欺の可能性があるため、注意しましょう。
ポップアップウィンドウでの入力要求
ポップアップウィンドウが表示され、クレジットカード番号やパスワードなどの個人情報の入力を求められた場合、フィッシング詐欺の可能性があります。公式サイトのレイアウトを背景に使うことで、ユーザは安心して情報を入力してしまいがちですが、突然表示されたポップアップウィンドウには注意が必要です。
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
資料ダウンロードフィッシング詐欺を防ぐための具体的な対策方法
フィッシング詐欺を防ぐためには、事前の対策が必要です。以下で、具体的な対策方法を解説します。
ワンタイムパスワードを使用する
フィッシング詐欺を防ぐためには、ワンタイムパスワードを使用しましょう。ワンタイムパスワードは、一定時間内で一度しか使えないパスワードです。一般的には30秒程度で無効になり、盗まれても使えません。この仕組みにより、不正ログインのリスクが減少します。最近では、銀行アプリでも利用できることが増えているため、積極的に活用しましょう。
二段階認証を使用する
フィッシング詐欺対策として、二段階認証の使用も有効です。二段階認証は、IDやパスワードに加えて、セキュリティコードなどの追加情報で認証を行う方法です。これにより、IDやパスワードが盗まれても、セキュリティコードがなければログインできません。現在、銀行アプリや通販サイトなどで広く利用されています。
むやみにURLをクリックしない
メールやSMS、DMに添付されたURLを安易にクリックしないことも対策の1つです。URLをクリックすると、偽のWebサイトに誘導される可能性があります。アクセスしただけで端末情報が抜き取られる場合や、不正なアプリがダウンロードされる危険もあるため、注意しましょう。
メールの内容を注意深く見る
フィッシング詐欺を防ぐためには、企業からのメールやSMS、DMの内容を確認しましょう。公式サイトやアプリで情報が一致するかを調べ、カスタマーサポートに問い合わせることをおすすめします。問い合わせ時は、不審な電話番号には連絡せず、詐欺の可能性が高いと疑いましょう。
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
資料ダウンロードフィッシング詐欺の被害に遭った場合の適切な対処法
フィッシング詐欺の被害に遭った際には、適切な対処が必要です。以下で、5つの対処法について解説します。
銀行に連絡する
フィッシング詐欺で銀行口座情報を入力した場合、すぐに銀行のカスタマーサポートに連絡しましょう。被害が判明した際も、速やかに銀行に連絡し、今後の対応を相談すべきです。不正送金された場合でも、銀行に連絡すれば預貯金保護法に基づいて補償を受けられます。
クレジットカード会社に連絡する
フィッシング詐欺でクレジットカード情報を入力した場合、すぐにカード会社に連絡し、カードの利用を一時停止してもらいましょう。すでに不正利用された場合も、カード会社に連絡し、不正利用分を取り消してもらえることがあります。補償期間や必要書類の提出についてはカード会社によって異なるため、確認が必要です。
警察に相談する
フィッシング詐欺で金銭的被害があった場合、警察のフィッシング専用窓口「フィッシング110番」に相談しましょう。国民生活センターや消費生活センターに相談し、フィッシング詐欺対策協議会に報告することも推奨されます。報告は協議会のWebフォームやメールから行えます。
パスワードを変更する
フィッシングサイトでIDやパスワードを入力した場合、すぐに該当するパスワードを変更しましょう。同じパスワードを使っている他のアカウントのパスワードの変更も必要です。変更時は、大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた強力なパスワードを設定し、被害の拡大を防ぎましょう。
関係者への注意喚起も迅速に行う
フィッシング詐欺でSNSアカウントが乗っ取られた場合は、すぐにフォロワーや友人、知人に注意喚起を行い、スパムメッセージを開かないように伝えましょう。注意喚起を迅速に行うことで、さらなる被害の拡大を防げます。
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
資料ダウンロード企業が行うべきフィッシング詐欺対策
企業が行うべきフィッシング詐欺対策を2つピックアップし、解説します。
従業員へのセキュリティ教育や訓練を実施する
従業員に対するセキュリティ教育や訓練は、フィッシング詐欺対策として有効です。まず、フィッシング詐欺が急増していることを伝え、詐欺に引っかかることで企業にどのようなリスクが生じるかを理解してもらいましょう。その後、具体的な対策方法として、フィッシング詐欺の手口や被害事例を共有し、怪しいメールを受け取った際の対応方法を教えます。
セキュリティソフトを導入する
フィッシング詐欺対策として、セキュリティソフトの導入も効果的です。セキュリティソフトを活用することで、フィッシング詐欺のリスクを大幅に減らせます。例えば、不正サイトや迷惑メールをブロックするフィルタリングサービスや、マルウェアの侵入を防ぐウイルス対策ソフトがあります。
関連記事:【メールセキュリティ最前線】その目的はウイルス感染防御と誤送信防止、コンプライアンス対応にあり
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
資料ダウンロードまとめ
フィッシング詐欺とは、精巧に作られた偽のWebサイトを使って、個人情報やアカウント情報を盗み取る手口です。ワンタイムパスワードや二段階認証を導入し、不審なリンクはクリックしないことが重要です。被害に遭った場合は迅速に対応しましょう。
サイバーソリューションズは、メール関連の各種サービスを提供し、さまざまなインフラ環境にも対応しています。サービス資料も配布しているので、興味のある人はぜひお問い合わせください。
Cloud Mail SECURITYSUITEのサービス資料を受け取る


