公開日

2025年10月21日

スパムメールとは?種類・見分け方・被害事例から対策・対処法まで解説

スパムメールとは?種類・見分け方・被害事例から対策・対処法まで解説

スパムメールは、企業にとって深刻な脅威となっています。この記事では、スパムメールの基本的な定義から種類、見分け方、具体的な被害事例まで解説します。企業の情報システム担当者が実践すべき対策や、万が一の場合の対処法についても詳しく解説するので、自社のセキュリティ対策の参考にしてください。

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スパムメールとは?

スパムメールは、受信者の意思にかかわらず無差別に送りつけられるメールです。定義や歴史について解説します。

関連記事:今さら聞けない法人向けスパムメール対策とは

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スパムメールの定義

スパムメールとは、受信者の意思とは無関係に一方的に送信される迷惑メールで、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」で規制されています。総務省の発表によると、国内の電気通信事業者10社が受信するメールの内、迷惑メールは3割を超えています(2024年3月末時点)。スパムメールの主な目的は、商品宣伝や架空請求、フィッシング詐欺などです。

※参考:総務省|電気通信消費者情報コーナー|迷惑メール対策

迷惑メールとの違い

スパムメールと迷惑メールは、一般的にほぼ同じ意味で使われることが多く、明確な定義の違いはありません。厳密には「迷惑メール」は受け取りを望まないメール全般を指す広い概念であり、スパムメールはその一部です。文脈によっては悪質な目的を持つものとして区別されることもありますが、通常は同義と考えられます。

スパムメールの語源や歴史

「スパム」という名称は、1970年代のイギリスのコメディ番組で放送された、肉の缶詰が避けられない状況を描いたコントに由来します。最初のスパムメールは1978年に確認され、2008年頃には全メールトラフィックの9割以上を占めたとされています。当初は広告中心でしたが、現在はセキュリティリスクとなる悪質なものが増加しています。

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スパムメールの種類と特徴・危険性

スパムメールには、さまざまな種類があります。それぞれが持つ特徴と危険性について解説します。

フィッシングメール

フィッシングメールは、銀行や有名企業などになりすまして送られる偽装メールです。メール本文のリンクから偽サイトへ誘導し、ユーザID、パスワード、クレジットカード情報などを盗み出すことが目的です。「アカウントが停止されました」「セキュリティ上の問題が発生しました」といった緊急性を強調する文面で受信者を焦らせ、不用意な行動を促します。

架空請求メール

架空請求メールは、利用した記憶のないサービスやWebサイトからの料金請求を装ったメールです。「未払いの料金がある」「支払いがないと法的措置をとる」といった脅迫的な表現で受信者を不安にさせ、金銭をだまし取ることを目的としています。

広告・広告宣伝メール

広告・宣伝メールは、最も多いスパムメールで、受信者の事前同意なく送信されます。商品販売やサービス紹介、出会い系・アダルト系サイトへの誘導などが主です。特定電子メール法で規制されていますが、低コストのため後を絶ちません。知人を装って不審なリンクへ誘導するケースもあり、マルウェア感染の原因となることがあります。

詐欺・なりすましメール

なりすましメールは、実在する企業や取引先、知人などを装って送られます。フィッシングメールと同様、偽のWebサイトへ誘導して個人情報を盗み出したり、添付ファイルからウイルス感染させたりします。本物に酷似しているため見破りにくく、不正送金やカードの不正利用などの二次被害にもつながることもあります。

標的型攻撃メール

標的型攻撃メールは、特定の組織や個人を狙った悪意あるメールです。時間をかけて周到に準備され、業務関連の内容で巧妙に偽装されます。添付ファイルやリンクからウイルスに感染させ、社内ネットワークへの侵入口をつくることが目的です。近年は、ランサムウェアによる身代金要求といった、組織全体に大きな被害をもたらす攻撃が増えています。

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スパムメールの見分け方・判断ポイント

スパムメールは年々巧妙化していますが、いくつかの共通する特徴があります。見分けるポイントを解説します。

不自然な日本語

スパムメールは海外から送信されるケースが多く、日本語に違和感がある場合は注意が必要です。誤った文法、不自然な言い回し、機械翻訳のような硬い表現などが特徴です。不適切な敬語の使い方や、常用漢字以外の漢字や不自然なスペース・改行なども怪しいサインです。

送信元アドレス

送信元アドレスの確認は重要です。心当たりのない差出人からのメールや、大手企業のアドレスに似せた偽装アドレスには注意しましょう。企業からの正規メールは、公式サイトと同じドメインから送られるため、フリーメールや不明なドメインは疑うべきです。

緊急表現

スパムメールは、「アカウントの停止」「セキュリティの問題発生」「24時間以内に対応が必要」など緊急性を強調します。こうした表現で受信者を焦らせて冷静な判断を妨げ、リンクのクリックや個人情報入力を促す手法です。過度に緊急を訴えるメールには警戒しましょう。

スパムメールが届く原因となくならない背景

スパムメールが絶えない背景には、送信コストの低さと効率の良さがあります。その仕組みと原因を解説します。

スパムメールが届く仕組み

スパムメールが届く主な要因は3つあります。まず、安価で容易に入手できるメール配送ソフトウェアがある点です。次に、メールシステムの仕様上、送信元を偽装できるという脆弱性があります。最後に、多くの受信者が無視しても、ごく一部が反応すれば攻撃者側は利益を得られるという経済的合理性があります。

メールアドレス流出の背景

メールアドレスが流出する主な経路は、ブログやSNSでの公開、無料サービスへの登録などです。企業からの情報漏えいやフィッシング詐欺も原因となります。自動ツールによるランダム生成も行われており、単純な文字列ほど的中率が高くなります。ウイルス感染によりアドレス帳が流出し、知人や取引先へも被害が拡大することがあります。

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スパムメールで実際に起きた被害事例

スパムメールは単なる迷惑行為にとどまらず、企業や組織に深刻な被害をもたらすことがあります。情報処理推進機構(IPA)に報告された実際の事例から、代表的な被害パターンを解説します。

※参照:コンピュータウイルス・ 不正アクセスの届出事例 | IPA

ウイルス感染

IPAの報告では、外部サービスの利用登録を装った不審メールのURLからウイルスに感染し、パソコンに異常が発生したケースが確認されています。また、運送会社を装ったメールの添付ファイルから、再起動後にパソコンが起動しなくなる被害も報告されています。業務に関連する内容を装った巧妙な手口によって、企業のシステム全体が危険にさらされる可能性があります。

情報漏えい

スパムメールがきっかけで情報漏えいに至るケースも報告されています。実際の事例では、メールアカウントが不正ログインされ、取引先とのやり取りを攻撃者に盗み見られた後、なりすましメールが送信される被害が確認されています。また、委託先の設定不備により、Webサイトが不正アクセスを受け、情報漏えいのリスクが生じた例もあります。

詐欺

スパムメールによる詐欺被害も深刻です。企業になりすました偽メールで、取引先に指定口座へ数百万円の送金を行わせるビジネスメール詐欺(BEC)の被害が報告されています。また、偽のセキュリティ警告画面を表示し、記載された電話番号に連絡させて遠隔操作ツールのインストールを誘導する「サポート詐欺」も確認されています。

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スパムメール対策の具体的な方法と設定ポイント

企業におけるスパムメール対策は、いくつかの防御策を組み合わせることが重要です。ポイントを解説します。

フィルタリング設定の活用

企業規模のメール環境では、メールサーバレベルでのフィルタリング設定が効果的です。メール設定の管理コンソールから設定が可能です。送信ドメイン認証の確認機能を活用することで、ドメイン詐称の検知が可能になります。特定の取引先とのやり取りが中心の部署では、ホワイトリスト方式も有効ですが、許可リストの定期的な更新が必要です。

メールソフトの対策機能の活用

メールソフトに備わっている対策機能を活用しましょう。HTMLメールは、デフォルトでテキスト形式表示にすることで、悪意あるプログラムの実行リスクを減らせます。また、迷惑メールフォルダは自動削除設定を有効にし、添付ファイルの誤開封リスクを減らすことが重要です。

添付ファイルやリンクは一旦開かない

スパムメールの被害拡大は、添付ファイルやリンクの操作から始まることがほとんどです。「.exe」拡張子のファイルは特に危険なため、開かないようにするべきです。フィッシングメールは金融機関やECサイトになりすまして送られてきます。送信アドレスや件名、本文に不審な点があれば、不用意な操作を避けるよう従業員に教育しましょう。

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スパムメールのファイルを開いてしまった時の正しい対処法

スパムメールの添付ファイルを誤って開いたり、不審なリンク先で情報を入力してしまったりといった場合は、迅速な対応が必要です。以下の通りに対処しましょう。

ネットワークからの遮断

まず行うべきなのは、ネットワークからの遮断です。有線LANケーブルを抜く、Wi-Fi接続をオフにするなど、完全に切断します。これにより、社内ネットワークへのマルウェアの拡散や、外部への情報流出を防ぎます。

ウイルススキャン

ネットワーク遮断後、セキュリティ対策ソフトを使用して完全スキャンを実行します。問題の端末だけでなく、接続ネットワークの確認も重要です。

不正入力の停止

フィッシングサイトで個人情報を入力した場合には、早急に対応が必要です。クレジットカード情報であれば、直ちにカード会社へ連絡し、利用停止を依頼します。パスワードを入力した場合は、別の安全な端末から速やかにパスワードを変更します。

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スパムメール対策に役立つセキュリティツールの活用法

企業の効果的なスパムメール対策として、外部セキュリティツールを導入する方法もあります。専門ツールは、社内メールシステムと連携して、包括的な防御機能を利用できます。

主な機能としては、なりすましメール対策やビジネスメール詐欺・フィッシングメールの防止、ウイルス・マルウェア対策、受信時のPPAP対策などがあります。また、サンドボックス機能を備えたツールでは、未知の脅威を検出して安全な状態に変換できます。

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まとめ

スパムメールとは、迷惑メールのなかでも悪意をもったメールを主に指し、企業のセキュリティを脅かす重大な脅威です。メールソフトの機能を活用して、スパムメール対策を実践しましょう。

より強固な対策の実現には、あらゆるメール環境に対応した専門的なセキュリティツールの活用も有効な手段です。サイバーソリューションズの「Cloud Mail SECURITYSUITE」や「MAILGATES Σ 」は、さまざまなインフラ環境に対応し、コストパフォーマンスに優れたセキュリティサービスを提供しています。

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