公開日

2025年10月20日

情報セキュリティの3要素と追加4要素とは?対策方法まで整理

情報セキュリティの3要素と追加4要素とは?対策方法まで整理

企業や組織が情報を適切に守るためには、情報セキュリティの3要素である機密性・完全性・可用性だけでは不十分です。真正性・責任追跡性・否認防止・信頼性といった追加の4要素も合わせて理解することが求められます。

この記事では、情報セキュリティに欠かせない7つの観点を整理し、それぞれに有効な対策方法を具体的に紹介します。

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情報セキュリティの定義

情報セキュリティとは、企業秘密や個人情報といった大切な情報や、それらを扱う情報システムを適切に守ることです。不正アクセスや改ざん、情報漏洩などのリスクから情報を保護するだけでなく、サービスの停止やウイルス感染などの被害を防ぎます。

また、雷や火災といった自然災害による被害に備えることも取り組みの1つです。情報セキュリティは多様なリスクに対応し、組織や個人が持つ情報資産を長期的に守るための取り組みとして重要視されています。

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情報セキュリティの重要性

現代社会では業種を問わずさまざまな業務がコンピュータに支えられており、情報技術は欠かせない存在となっています。その一方で、サイバー攻撃は日々進化し、巧妙かつ強力な手法が次々と用いられているため、どの企業にとっても情報セキュリティ対策は不可欠です。

適切に取り組めば、信頼を得て競争優位性を高め、新たなビジネスチャンスにもつながります。

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情報セキュリティの3要素(CIA)とは

情報セキュリティの3要素として「機密性」「完全性」「可用性」が挙げられ、それぞれの英語の頭文字を取って「CIA(Confidentiality, Integrity, Availability)」とも呼ばれています。1つずつ解説します。

機密性(Confidentiality)

機密性とは、権限を持つ利用者だけが特定の情報にアクセスできる状態にすることです。機密性が守られていない場合、個人情報や企業秘密が外部に流出し、不正アクセスや情報漏洩、それに伴う信頼喪失など深刻な被害につながります。

機密性の高い情報は企業によって異なりますが、製品の開発情報や顧客リストなどが該当します。ただし、個人情報はどの組織にとっても徹底した保護が必要とされる重要なデータです。

完全性(Integrity)

完全性とは、情報を常に正確で最新の状態に保ち、無駄な部分や不足がないように維持することです。個人情報の不正取得だけでなく、データを改ざんし、競合企業の信用を損なおうとする攻撃も増えています。

外部からの不正だけでなく、社内での操作ミスや管理の不備によって誤った情報が扱われた場合にも、企業の信頼性が大きく揺らぐ危険があります。

可用性(Availability)

可用性とは、必要なときに情報やシステムを継続的に利用できる状態を指します。利用者が安全にデータへアクセスできることを保証し、システムの稼働を維持する力ともいえます。

なお、可用性の確保は「機密性」と「完全性」が守られていることが前提です。可用性が損なわれると、システム障害や遅延により業務の停滞を招き、企業活動に深刻な影響を及ぼします。

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情報セキュリティ3要素とISMS認証の関係

情報セキュリティの3要素は、ISMS認証の取得のためにも欠かせません。ISMSとは「Information Security Management System(情報セキュリティマネジメントシステム)」の略称で、組織が情報セキュリティを計画的に管理・運用するための仕組みを指します。第三者機関による審査を受け、国際規格で定められた要件を満たしていると認められた場合に取得が可能です。

ISMS認証は、企業や団体が機密性・完全性・可用性を適切に守る体制を整えている証明となり、顧客や取引先からの信頼を高めます。

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情報セキュリティの3要素に4要素が追加

近年では情報セキュリティの3要素だけでなく、新たに「真正性」「責任追跡性」「否認防止」「信頼性」の4要素も追加され、重要視されています。以下で詳しく見ていきましょう。

真正性

真正性とは、情報にアクセスする利用者や端末が正しく認証された存在であることを保証する状態を指します。データを作成した人物に権限を与え、その作成者であることを証明できる仕組みを含みます。

個人や組織、システムが許可された主体であることを明確にし、情報の正当性を確保するために不可欠な要素です。

責任追跡性

責任追跡性とは、情報やシステムに対する操作が誰によって、どのように行われたのかを明確にできる状態のことです。データに変更が加えられた場合には、実施者や対象、具体的な作業内容を記録しておく必要があります。

操作の記録を残すことで、個人や企業の行動を追跡でき、問題発生時に原因を特定しやすくなります。

否認防止

否認防止とは情報資産に関して不正や問題が起きた際に、関与した人物が「自分は関わっていない」と主張できないように証拠を残すことです。

例えば、第三者がデータを書き換えた場合、その操作を誰が実行したのかを明確にします。責任の所在をはっきりさせることで、否定されない状態を確保します。

信頼性

信頼性は、システムの処理やデータ操作が欠陥なく正しく行われ、期待どおりの結果を安定して得られる状態を指します。基準どおりの動作を満たすだけでなく、障害やトラブルが少なく安定的に稼働することも重要です。

例えばログを適切に記録・保管していない場合は信頼性が低いとみなされ、一方で障害が少なく管理が徹底されたシステムは信頼性が高いと評価されます。

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情報セキュリティ3要素と4要素を守るための対策

情報セキュリティの3要素と追加の4要素を守るためには、日常的な仕組みづくりと具体的な対策が欠かせません。無停電電源装置の導入やバックアップを取るなど基本的な取り組みを積み重ねることで、突発的なリスクや攻撃にも柔軟に対応できます。

無停電電源装置の設置

無停電電源装置(UPS)は、停電や電力が不安定になる状況に備えて利用される装置です。突然の電源停止が起きても一定時間は電力を供給し続けられるため、作業中のデータやシステムを安全に保護できます。

特に電圧の急激な変化にも瞬時にバッテリーへ切り替わる仕組みを持ち、接続した機器が正常に稼働できるようにします。停電や災害によるシステム停止を防ぐことは、情報セキュリティ対策の一環としても効果的です。

定期的なバックアップ

情報システムにおけるデータ消失は、大きなリスクとなり企業活動に深刻な影響を及ぼします。災害や障害でアクセス不能になった場合でも、定期的にバックアップを取っていれば代替のデータを利用できます。人の操作ミスや予期せぬ不具合で破損する可能性もあるため、計画的なバックアップが必要です。

徹底したパスワード管理

企業内で1人のパスワードが漏洩すると、企業に与える損害は非常に大きくなります。パスワードのセキュリティを高めるためには、企業内でパスワードポリシーを設け、文字数や使用する文字種を定めることが重要です。

さらに、パスワードを使い回さないことや、月に一度変更することなどを徹底し、個人のデバイスからのログイン制限も行うことで、情報を安全に保護できます。

アクセスログの可視化

アクセスログの可視化は、いつ誰が、どの情報にアクセスし、どのような操作を行ったかを記録することです。不正アクセスや情報改ざんが起きても、ログがあれば原因や犯人を特定できます。

サーバや機器へのアクセスが多い場合、ログは膨大なテキストファイルとなるため、専用システムで情報を格納したり、世代管理を行ったりすることが推奨されます。

ウイルス対策ソフトの導入

ウイルス対策ソフトは、コンピュータへの不正なプログラムの侵入を防ぎ、万一感染した場合も除去できるソフトウェアです。近年はパスワードやIDを狙ったフィッシング詐欺なども多発しており、攻撃を事前に遮断する機能があるソフトウェアも増えています。

OSやアプリを更新しても必ずしも安全とはいえないため、リスクを下げる手段としてウイルス対策ソフトの導入が欠かせません。

ソフトウェア の更新

ソフトウェアを更新して常に最新の状態に保つことは、情報セキュリティ対策の基本です。アップデートを適用することで、従来のバージョンに存在していた脆弱性を解消し、不具合やセキュリティの問題点を改善できます。

さらに、ソフトウェアの更新では新機能の追加や性能の強化も行われるため、より安全かつ安定した利用環境を確保できます。

社内でのセキュリティ知識の向上

情報セキュリティに関する厳しいルールやポリシーを整えても、運用する従業員が重要性を理解していなければ十分な効果は得られません。最新の脅威に対応するためには、定期的な教育や演習、知識の更新が必要です。

社内で勉強会や研修を開催し、基本的な対策や攻撃手法の変化を共有することで、従業員の意識を高められます。

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まとめ

現代の企業がサイバー攻撃やウイルス感染などから情報を守るためには、情報セキュリティの3要素を押さえた対策が欠かせません。定期的なバックアップや徹底したパスワード管理など、日常的な対策が重要です。追加の4要素も踏まえ、総合的な対策を講じることが推奨されます。

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