昨今の社会情勢の変化に伴う原材料価格の高騰や円安による海外からの輸入コスト増加を受けて、さまざまな品目の値上げが相次いでいます。2024年も値上げラッシュは継続しており、食品や光熱費だけでなく、ソフトウェアのライセンス費用にも値上げの波が押し寄せています。
値上げはいつまで続くのか、値上げに対して何か打つべき手はあるのか?この記事では相次ぐライセンス値上げの背景と対策についての考え方を紹介します。
2026年最新の「Microsoft 365」プラン料金
2026年最新の「Microsoft 365」プラン料金は以下のとおりです。
| プラン | 価格(年間契約の場合) |
|---|---|
| Microsoft 365 Business Premium(旧Microsoft 365 Business) | 3,298円 |
| Microsoft 365 Business Standard | 2,098円 |
| Microsoft 365 E3(no Teams)+ Teams | 7,128円 |
| Office 365 E1(no Teams)+ Teams | 2,298円 |
価格改定によりAI・セキュリティ面がどのように強化されたか
Microsoft 365は、価格改定によりAI・セキュリティ面でさまざまな変化がありました。強化された点について解説します。
Microsoft 365 Copilot Chatが追加費用なしで利用可能になった
法人向けMicrosoft 365にCopilot Chatが標準装備されました。Copilot Chatは、さまざまなOfficeアプリから画面を切り替えずに利用できる実用的なアシスタントとして進化しています。Officeアプリからシームレスに利用できるため、現場の負担も少なくて済みます。
フィッシング・マルウェア対策が強化された
フィッシング・マルウェア対策も強化されました。Microsoft 365 E3およびOffice 365 E3ライセンスには、Microsoft Defender for Office 365が標準搭載されたため、メールだけでなくTeamsでも悪意のあるリンクやフィッシングメールを検知、防御できるようになっています。
また、Office 365 E1・Business Basic・Business StandardにはURLチェック機能が追加されました。Microsoft 365 E5では、セキュリティ支援機能であるMicrosoft Security Copilotが提供されています。この機能により、さまざまな脅威を検知できるようになり、メールやコラボレーション環境の防御に役立ちます。
有料でコパイロットを追加するプランが誕生した
マイクロソフトは、サービスの提供品質を維持するため、Microsoft 365の契約に組み合わせて子パイロットを追加するプランを発表しました。それに伴い、追加料金なしでのコパイロットは提供が縮小しました。
「Microsoft 365」ライセンスが2,000シート以上の組織は、追加料金なしではコパイロットが利用できません。「Microsoft 365」ライセンスが2,000シート未満の組織の組織は、引き続きコパイロットが利用できますが、「標準アクセス」の範囲内に制限されます。
「Microsoft 365」値上げのタイミング
Microsoft 365が値上げされる基準日は、2026年7月1日です。しかし、すべての契約が同日に一斉値上げされたわけではありません。また、Business Premium と Office 365 E1の価格は据え置きです。自社の請求に値上げがいつ反映されるかは、契約によって異なります。
・新規契約:2026年7月1日以降に開始(開通)する分から新価格
・既存契約:2026年7月1日以降に迎える次回更新日から新価格
Microsoft 365ライセンス価格改定、その背景は?
2026年7月1日、日本マイクロソフト株式会社から法人向けMicrosoft 365のライセンスおよびサービスの価格改定を行うことが発表されました。企業の固定費を直撃し影響範囲が広いことから大きな話題となりました。今回の価格改定の背景には、AIやセキュリティ面の強化があります。すでに述べたCopilotの標準化、セキュリティ機能の拡充などが値上げの根拠として挙げられます。
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資料ダウンロードMicrosoft 365の価格改定の推移
Microsoft 365の値上げは今回が初めてではありません。2011年にサービス開始以来、新機能追加やセキュリティ強化に伴い、段階的に値上げが行われてきました。Microsoft 365は、個人ユーザ、ビジネス利用者、教育機関など、さまざまなニーズに応えるラインナップが展開されていますが、今回はビジネスユーザ向けで利用企業数が多い上位3プランMicrosoft 365 Business Premium、Microsoft 365 Business Standard、Microsoft 365 E3と、古くからあるOffice 365 E1の4プランについて、サービス開始から今までの価格改訂の推移をまとめました。
法人向け Microsoft365 主要プランの値上げ推移
| プラン | 2011年 6月 | 2015年 12月 | 2020年 4月 | 2022年 3月 | 2023年 4月 | 2024年 4月 | 2026年 7月 |
リリース~2024年4月の値上げ率
|
| Microsoft 365 Business Premium(旧Microsoft 365 Business) | 2,180円 | 2,180円 | 2,390円 | 2,750円 | 3,298円 | 3,298円 | +51% | |
| Microsoft 365 Business Standard | 1,360円 | 1,360円 | 1,360円 | 1,560円 | 1,874円 | 2,098円 | 54% | |
| Microsoft 365 E3(no Teams)+ Teams | 3,480円 | 3,910円 | 4,500円 | 5,846円 | 7,128円 | 104% | ||
| Office 365 E1(no Teams)+ Teams | 800円 | 870円 | 870円 | 1090円 | 1,250円 | 1,948円 | 2,298円 | 187% |
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資料ダウンロードこの6年で51%も値上がりしたMicrosoft 365 Business Premium
一般企業向けのプランMicrosoft 365 Business Premiumは、2024年4月からは月額3,298円です。2020年4月時点の月額2,180円と比較して5年間で51%値上がり、この5年間で1.5倍の価格になっています。同じくMicrosoft 365BusinessStandardは、2024年4月からは月額1,848円です。2020年4月時点の月額1,360円と比較して5年間で38%値上がりしました。
この5年間の値上がり率をまとめると下記になります。
| プラン名 | 値上がり率 |
| Microsoft 365 Business Premium | +51% |
| Microsoft 365 Business Standard | +54% |
| Microsoft 365 E3 | +104% |
| Office 365 E1 | +188% |
日本マイクロソフト株式会社は今後も半期ごとに製品価格を見直す方針を明言していることから、今後もさまざまな理由で値上げされる可能性があります。
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資料ダウンロード「Microsoft 365」の値上げに向けて企業で確認すべきポイント
「Microsoft 365」は2026年7月1日に価格改定されていますが、更新のタイミングによって値上げのタイミングは異なります。値上げに向けて、企業が確認すべき3つのポイントを解説します。
ライセンスの棚卸をする
更新の前に、利用アカウント・ライセンスを見直します。退職者や異動者、長期間未使用のアカウントが残っていないか確認し、不要な契約を整理します。Microsoft 365の管理画面にアクセスし、レポート→利用状況の順にアクセスすることで利用状況を把握可能です。
プランを見直す
Microsoft 365 BusinessとEnterpriseには、機能や価格に明確な違いがあります。業務内容ごとに振り分けし、全従業員に上位プランが必要か否か、過剰な契約はないか確認します。その一方で、セキュリティ要件を満たしていない状態での運用がないかの確認も必要です。セキュリティ要件が高い部門では、Premiumが適切な場合もあります。必要なプランを再設計することが重要です。
契約形態を見直す
Microsoft 365の値上げは、原則として契約の更新時に適用されます。契約更新月を把握した上で、最適な更新方法を検討することが重要です。月次契約は、必要な期間だけ利用でき、不要になれば即時で解約が可能です。ただし、費用は割高になります。一方、年次契約は月額換算すると割安で利用できます。ただし、一括払いが必要で、途中解約ができません。
Microsoft 365以外のSaaSも値上がり
ライセンス価格の値上げはMicrosoft 365に限りません。今回に先立つ2023年にはSalesforceが7年ぶりにCRM製品を平均9%値上げし、これを皮切りにトレンドマイクロ、Adobe、HubSpotなどが価格改定を発表しました。値上げの波は国産サービスにも及んでいます。
直近主要SaaS製品の値上げ
| 社名 | サービス名 | 値上げ理由 |
| HENNGE | クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」 | 原価高騰や円安進行などの要因による事業環境の大きな変化を受け |
| トレンドマイクロ | トレンドマイクロSaaS製品全般 ウイルスバスター ビジネスセキュリティサービス (VBBSS他) | ここ数年の世界的なインフレによるコスト上昇 |
| 大塚商会 | 「たよれーる(保守サービス)」 | 本サービスを提供するためのIT機器、電気料金や人件費などの高騰 |
| Adobe | Creative Cloud個人版プラン | 為替レートの変動に対応するための調整 |
| ロゴスウェア | 教育SaaS製品 | 昨今の円安基調によるクラウドサーバー利用料金の増加、社員の賃金の引き上げ、さまざまな物価の上昇 |
| アルファサード | PowerCMSクラウド | 為替変動や固定費の上昇など諸般の事情により |
| マネーフォワード | マネーフォワード クラウド | 各種法令改正への対応や昨今の物価上昇に伴う開発費の増加を受け、サービス品質向上・安定稼働を目的として |
| クラウドサーカス | デジタルマーケティングSaaS『Cloud CIRCUS』 | サーバー費用の増加、エンジニアの確保難易度の上昇、人件費を含む運営管理コストの増加 |
| フリップロジック | クラウド型販売管理サービス「FLAM」 | 最近の基盤利用料の高騰により、サーバーの維持費やネットワーク設備のコストが急速に上昇 |
| READYFOR | クラウドファンディングサービス「READYFOR」 | 昨今の社会情勢の激変に伴うインフラコストの増加や人件費高騰など |
| ピーエスシー | Coo Kaiサービス | 昨今の物価上昇や為替の著しい変動、各種インフラコストの上昇 |
(2024年5月現在、サイバーソリューションズ調べ)
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資料ダウンロードSaaSなどの値上りは今後も続くと思われる
近年の値上げ要因の1つに円安の影響がありましたが、今後も円安は続くことが想定されています。円安の要因として、日米の金融政策の違いから生まれる金利差に関する議論が多いですが、最近はデジタル赤字の拡大も注目されています。
多くの日本企業が、データストレージやアプリケーションをGoogleやAmazonなど海外の巨大ITのクラウドサービスに依存していることから、海外企業へのドル建ての支払いが膨らむことが円安の大きな要因となっています。デジタル赤字は解消する見込みがないことから、円相場を下押しし続けます。つまり海外企業にサービス利用料を支払うためには、持っている円を売ってドルに換える必要があることから、国内における海外のサービス利用が活発になるほど円売り加速とともに円の価値が下がっていき、円安 (ドル高) が進みます。さらに国際収支が赤字の状態になると、為替相場において円安の進行がさらに加速していきます。
一方で国産SaaSにおいては、人件費の増加を理由にした価格改定の動きがあります。昨今の物価高騰を背景にして2023年には約30年ぶりの高水準の賃上げが実現しましたが、物価上昇に見合う賃上げにはまだ追いついておらず、引続き賃上げとその原資を確保するための適切な価格転嫁が推進されています。したがって国産SaaSにおいても、引き続き価格上昇が発生すると見ています。
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資料ダウンロードライセンス値上げへのユーザ企業の反応
2026年2月のネクサフローの調査では、SaaS契約者は値上げに対し、以下のような不満を持っています。
- 値上げの理由・根拠の説明が不十分だった(46.2%)
- 値上げ幅が大きすぎた(金額への不満)」(38.5%)
- 「通知が遅すぎた/突然だった」(29.2%)
※参考:SaaSの価格改定、「金額」よりも「伝え方」の不備が解約を招く傾向。ネクサフローが調査|ProductZine
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス資料ダウンロード
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資料ダウンロードライセンス値上げへ取るべき4原則
企業は値上げのリスクに対してどのような対策を取るべきでしょうか?典型的な対応としては『回避、軽減、移転、受容』の4つの観点による短期的・長期的な対策が挙げられます。

出典:ガートナー2023年1月リリースより当社作成
この中でガートナーは「値上げを拒絶し続けることだけが唯一の解ではなく、ベンダーに高品質な製品サービスの提供を続けさせるために、時に、一定の値上げを受け入れる必要もある」とし、一方で「説明のつかない大幅な値上げに対しては、合理的な説明を追求する姿勢を、ベンダーへ示すべき」としています。
しかしガートナーの提言で最も注目したいのは「2024年以降も海外ベンダーによる価格改定のリスクが継続することを見越し、長期的に効果が持続する対策も講じる必要」を提言している点です。ベンダーへの適切な交渉や情報収集を行うとともに、経営層や経理や財務部門に対してITに関する理解を促しながら、中期的な自社のシステム構築のビジョンを描き、会社全体で議論をしていくことも必要になります。
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
資料ダウンロード必要な機能を適切な価格で導入して Microsoft 365 の セキュリティ強化を
またコスト対策の選択肢の1つとして知っていただきたいのが、セキュリティやアーカイブなどの周辺機能をサードパーティ製品にする方法です。例えば冒頭に挙げたMicrosoft 365の上位プランを契約する理由として多いのが、セキュリティの強化です。
現在のビジネスメール環境には、ランサムウェア感染・ウイルス・なりすましメール・迷惑メール・フィッシング詐欺・ビジネスメール詐欺(BEC)など数多くのセキュリティの脅威があり、これらのセキュリティリスクへの対策として、Microsoft 365標準のセキュリティサービス「Exchange Online Protection」だけではなく追加のMicrosoft Defender for Office 365が提供されるMicrosoft 365 E3以上のプランを選択し、セキュリティに対して十分に備えようとする企業は少なくありません。
一方でMicrosoft 365 E3の2026年7月からの価格は月額7,128円、年間8万円超と、費用面で大きな負担がかかります。この場合、サードパーティ製品を組み合わせて特定のセキュリティ機能を必要な分だけ導入することで、適切なコストでより堅牢なセキュリティ環境を実現することができます。
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資料ダウンロード自社に必要な機能とコストを選択できるメールセキュリティ対策
サイバーソリューションズが提供するCloud Mail SECURITYSUITE(CMSS)は、月額200円からMicrosoft 365のセキュリティを強化することができます。
Cloud Mail SECURITYSUITEの機能はMicrosoft 365上位プランが提供する
- アンチウイルス/アンチスパム
- 未知の添付ファイルの検査
- メール本文のリンク、添付ファイルのリンクの検査
- フィッシング詐欺対策
に加え、グローバル展開するMicrosoftのサービスには不足している日本のビジネスならではのセキュリティニーズに応える
- 受信時のPPAP対策
- 送信時のPPAP対策
- 情報漏洩対策
- 誤送信対策
などをカバーする機能を持っています。
Microsoft365上位プランとCloud Mail SECURITYSUITEの比較
| プラン | ユーザ月額料金 | アンチウイルス、アンチスパム | 未知の添付ファイル検査 | メール本文リンク、添付ファイルリンクの検査 | フィッシング詐欺対策 | 受信時のPPAP対策 | 送信時のPPAP対策 | 情報漏洩対策 |
| ExchangeOnline Protection (EOP) | 標準機能 | ○ | ||||||
| Microsoft 365 E3 (no Teams) | 5,059円 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
| Cloud Mail SECURITYSUITE 受信対策プラン | 200円 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
| Cloud Mail SECURITYSUITE 送受信対策プラン | 400円 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Cloud Mail SECURITYSUITE(CMSS)を導入することでコストを抑えつつ、Microsoft 365を安全に運用する選択肢としてぜひご検討ください。

株式会社レオパレス21様 導入事例
7,000アカウントのMicrosoft 365メールセキュリティをオンプレからクラウドへ移行し運用負荷を低減
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