サプライチェーン攻撃の概要や急増する背景、おもな種類を分かりやすく解説します。自社単体では防ぎにくい理由とともに、組織的・技術的な観点からの具体的な対策手法や進める際の注意点まで網羅しました。取引先を含めたセキュリティ体制の強化に役立ちます。
Cloud Mail SECURITYSUITEのサービス資料を受け取る
サプライチェーン攻撃とは
サプライチェーン攻撃は、企業の関連組織や取引先といった弱点を経由して侵入を図る深刻なセキュリティ脅威です。被害拡大を防ぐために概要や仕組みを正しく把握する必要があります。
サプライチェーン攻撃の定義
サプライチェーン攻撃とは、セキュリティ対策が手薄な取引先や子会社などを経由し、標的とする本組織へ侵入するサイバー攻撃の手法です。自社のセキュリティを強固に固めていても、関連企業の脆弱性を悪用されることで機密情報の漏洩やシステムの停止といった深刻な被害が生じます。
※参考:経済産業省|サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer 3.0
サプライチェーン攻撃が増加している背景と動向
近年、クラウドサービスの普及や業務委託の拡大により、企業間のシステム連携が急速に進みました。これに伴い、直接攻撃が難しい大企業ではなく、管理体制が緩やかなサプライチェーン上の弱点を狙う攻撃が増加しています。被害がグループ全体や取引先にまで及ぶ事例が頻発し、社会的な問題となっています。
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
サービスの概要資料を受け取るサプライチェーン攻撃の種類
サプライチェーン攻撃は侵入経路や対象により複数の種類に分類されます。おもな3つの形態を解説します。
ソフトウェアサプライチェーン攻撃
ソフトウェアの開発工程や配布ルートに悪意あるコードを混入させる手法です。開発元が提供する正規のアップデートプログラムやオープンソースライブラリが改ざんされる事例があります。利用企業が信頼してソフトウェアを更新した際、気付かぬうちにウイルスへ感染し内部ネットワークへの侵入を許します。
ビジネスサプライチェーン攻撃
自社と直接的な取引関係にあるパートナー企業や委託先を踏み台にする手法です。セキュリティ管理が相対的に手薄な関連会社へ最初に侵入し、そこから本組織のネットワークへ侵入を図ります。正規の取引先になりすまして悪意あるメールを送信し、偽の送金指示や機密情報の漏洩を引き起こす事例も存在します。
サービスサプライチェーン攻撃
利用しているクラウドサービスや外部の受託運用サービスを経由する手法です。サービス提供事業者のシステムに存在する脆弱性が悪用された場合、利用する複数の顧客企業へ一斉に被害が拡大します。管理権限が掌握されると重要データの改ざんや大規模なシステム障害が発生するリスクが高まります。
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
サービスの概要資料を受け取るサプライチェーン攻撃が防ぎにくい理由
サプライチェーン攻撃は自社の防御のみでは防ぐことが困難な脅威です。おもな理由を説明します。
侵入経路が企業のコントロール外にある
攻撃の起点となる外部の取引先や委託先の管理権限は自社に存在しません。どれほど自社のネットワーク環境を堅牢に構築しても、管理の及ばないサードパーティの脆弱性を突かれると侵入を防御できません。自社の管理範囲外を経由する攻撃手法である点が防ぎにくくしている要因です。
取引先のセキュリティ水準を把握しにくい
多くの企業と取引を行う場合、各社の安全対策の実施状況を正確に可視化することは容易ではありません。チェックシートを用いた確認のみでは、実際の運用状態や潜在的な脆弱性まで見抜くことが不可能です。取引先のセキュリティ水準を客観的に評価する難しさが対策を遅らせます。
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
サービスの概要資料を受け取るサプライチェーン攻撃への組織的な対策
組織全体のガバナンス体制を強化し、パートナー企業を含めた総合的なセキュリティ管理を推し進めます。
セキュリティ要件を契約で明示する
委託先や取引先との契約締結時に、守るべきセキュリティ基準を規定として明確に盛り込む対応が必要です。機密保持義務だけでなく具体的な技術的要件や違反時のペナルティを提示し、実効性を担保します。契約書に明記することで責任の所在が明確になり、相手方のセキュリティ意識向上が図れます。
委託先への定期的な評価を実施する
契約時のみならず、運用開始後も定期的な監査やチェックシートによる評価を継続します。運用状態や管理体制の変化を把握し、潜在する安全上の課題を早期に検出するためです。第三者評価機関の認証取得状況などを客観的な指標として確認する取り組みも有効であり、セキュリティ維持に繋がります。
インシデント発生時の連携体制を整える
万が一の事故発生に備え、迅速に通報や情報共有が行える連絡網と報告手順をあらかじめ構築します。連絡先や対応フローが未整備の場合、被害の状況把握や初期対応が遅れて影響が拡大します。平時から合同の報告訓練などを実施し、緊急時に即座に対処可能な体制を整えておくことが重要です。
従業員へのセキュリティ教育を強化する
技術的な防御策の導入と並行し、社内および委託先の従業員に対する啓発活動を継続的に行います。不審な電子メールの開封防止やパスワードの適切な管理といった基本的なルール徹底を促します。組織全体の情報セキュリティリテラシーを高める取り組みが、人的要因による侵入リスクの低減に直結します。
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
サービスの概要資料を受け取るサプライチェーン攻撃への技術的な対策
権限管理の最小化やゼロトラスト思想の導入など、システム面の多層防御により不正侵入を防ぎます。
アクセス権限を最小化する
業務に必要な最小限のアクセス権限のみを付与する最小権限の原則を徹底します。不要な特権IDの放置や過剰な閲覧権限の付与は、万が一の侵入時に被害が拡大する原因です。ユーザーごとに役割に応じた権限割り当てを行い、定期的な権限見直しを実施することで、不正アクセスによる内部侵入やデータ持ち出しを防ぎます。
多要素認証を徹底する
IDやパスワードによる認証に加え、生体情報やワンタイムパスワードなどを組み合わせた多要素認証の導入が不可欠です。パスワード漏洩が生じた場合でも、第三者による不正ログインを防止できます。特にリモートワーク環境やクラウドサービス、管理者アカウントへのアクセス時には多要素認証を必須化し、境界の防御力を高めます。
脆弱性診断・ソフトウェア管理を実施する
利用しているソフトウェアやシステムの脆弱性を把握し、迅速にパッチ適用を行う管理体制を構築します。あらかじめOSやアプリケーションの構成情報を一覧化し、更新プログラムの配布状況を可視化することが重要です。定期的な脆弱性診断を導入することで潜在するリスクを早期に発見し、攻撃の足がかりを遮断します。
ゼロトラストの考え方を取り入れる
全てのアクセスを信頼せず、常に検証を行うゼロトラストセキュリティの概念を導入します。社内ネットワークの内部であっても安全と断定せず、端末認証や暗号化、動作監視を継続して実施します。侵入を前提とした多層防御を構築することで、攻撃者がネットワーク内を横移動して標的へ到達する挙動を検知および遮断します。
侵入を防ぐセキュリティシステムの導入をする
サプライチェーン攻撃では、取引先を装ったメールが侵入のきっかけとなるケースが多くあります。防ぐためにはメールセキュリティシステムの導入が有効で、受信時に添付ファイルやURLを検査することで、従業員が開封する前に不審なメールを遮断できます。
あわせて、ネットワークの出入口で通信を検査するゲートウェイ型のシステムを導入すればより効果的です。
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
サービスの概要資料を受け取るサプライチェーン攻撃対策を進める際の注意点
対策の実施にあたっては、優先順位の策定や組織全体での連携、費用対効果の検証が欠かせません。
優先順位を決める
あらゆる対象に一斉に対策を講じることは現実的ではありません。まずは自社における重要資産や機密情報を整理し、保護すべき対象を明確化します。その上で関連する取引先やシステムの構成、委託業務の依存度を把握し、リスクの高い領域から段階的に対策に着手することが重要です。
IT部門だけに任せない
サプライチェーン攻撃への対応は、情報システム部門やセキュリティ担当部署のみの課題ではありません。調達や購買、法務、経営陣など全社的な巻き込みが必要です。契約の見直しや委託先管理体制の構築には業務フロー全体の変更が伴うため、経営層の主導のもと組織横断的な体制で推進する必要があります。
コストと実効性のバランスを考える
セキュリティ対策には相応の費用や運用負担が生じるため、費用対効果の最適化を図る視点が不可欠です。過度な対策要求は取引先の負担となり、ビジネスの継続性を損なう要因となります。自社および取引先の現実的なリソースを考慮し、運用の持続可能性と実効性を両立した適切な施策を選定します。
システムと教育のバランスを考える
サプライチェーン攻撃への対策は、システム導入と社内教育のどちらか一方に偏らせないことが重要です。技術的に守りを固めても、従業員が取引先を装ったメールを開封すれば侵入を許してしまいます。逆に教育だけに頼れば、様々な攻撃を人の注意力で見抜き続けなければなりません。
そのため、システムで機械的に防げる範囲を最大化したうえで、教育によってリスクへの対応力を育てることで、実効性の高い体制を構築できます。
PPAP対策やメールセキュリティ強化サービス
サービスの概要資料を受け取るまとめ
サプライチェーン攻撃は、セキュリティが手薄な関連企業や取引先を踏み台として標的企業へ侵入を図る深刻な脅威です。自社の防御を強化するだけでは防ぎきれないため、契約での要件明確化や継続的な委託先評価といった組織的な体制整備が必須となります。あわせて権限管理の最小化やゼロトラストの思想を取り入れた技術的対策を講じ、多層的な防御網を構築することが重要です。
自社における重要資産やリスクの優先順位を整理し、IT部門のみならず全社的な協力のもとで対策を進める必要があります。取引先の運用負荷にも配慮しながら、持続可能かつ実効性の高いセキュリティ管理体制を整備し、組織全体の安全性を高めます。
メールのセキュリティに力を入れたいなら、Cloud Mail SECURITYSUITEの活用がおすすめです。法人企業・官公庁向けにメール環境のトータルソリューションを提供しており、多くの導入実績があります。



