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公開日

2025年5月23日

更新日

2025年5月30日

ルートキットとは?攻撃の目的・仕組み・対策のほか、感染時の対処法も解説

ルートキットは、管理者権限を奪取する高度なマルウェアで、企業システムに深刻な脅威をもたらします。この記事では、ルートキットの特徴から対策まで、情報システム担当者が知っておくべき知識を解説します。自社のメールセキュリティの参考にしてください。

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ルートキットとは?特徴と仕組み

ルートキットは、システムの深部に潜伏しているため、検出が困難かつ高度なマルウェアパッケージです。ここでは、ルートキットの特徴や背景について解説します。

ルートキットの概要と攻撃の目的

ルートキットとは、コンピューターシステムの深層レベルで動作し、管理者権限(root権限)を不正に取得するためのツールが、パッケージ化されたものです。単一のプログラムではなく、複数の不正プログラムの集合体として機能します。

ルートキットの最大の特徴は、その存在を隠ぺいする機能です。特定のファイルやプロセスを検出不能にするコマンド改ざんや、侵入記録を消去するログクリーナーなどの機能があるため、通常のセキュリティツールでの検出が非常に困難です。

ルートキットは直接的な被害をもたらすのではなく、システム内で隠密に活動し、他のマルウェアと連携することで、持続的な脅威となります。特に機密情報を扱う企業にとっては、早期発見と対策が極めて重要です。

エクスプロイトキットとの違い

ルートキットとエクスプロイトキットは、名称が似ているものの、機能と目的が異なるツール群です。エクスプロイトキットは、システムの脆弱性を悪用して侵入するためのツールをパッケージ化したもので、主に「侵入手段」を提供します。一方、ルートキットは侵入後にシステムを支配し、攻撃の痕跡を隠ぺいするためのツール群です。

犯罪者にとっての利点・ハッカーにとって攻撃が容易になる背景

ルートキットが攻撃者に選ばれる理由は、その隠密性と持続性にあります。侵入後もセキュリティ検知を回避できる点が、犯罪者にとっては最大の利点です。ルートキット攻撃を容易にする要因は、以下のとおりです。

  • OSやアプリケーションの脆弱性:未修正のセキュリティホールが侵入口となる。
  • 人的要因:フィッシングメールなどで、ユーザー自身が無意識にマルウェアをインストールしてしまう。
  • 外部メディア経由の感染:USBメモリやCD-ROMなどを介した感染も発生する。
  • システムの深部での動作:OSの中核部分での活動により、通常の対策を回避する。

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ルートキットの主な種類と感染手口

ルートキットは、攻撃対象層や侵入方法によって、主に5つに分類されます。それぞれの特徴について解説します。

カーネルモード

カーネルモードのルートキットは、OSの中核部分であるカーネルに直接作用してシステム全体に影響を与える、最も危険なタイプです。OSと同じ権限レベルで動作するため、システムの全プロセスやリソースを制御できます。ハードウェアと直接通信ができることから、深刻なシステム障害を引き起こす可能性があります。

主な感染経路は、OSやアプリケーションにおける未修正の脆弱性を悪用したもので、構造が極めて複雑であるため、検出・駆除は非常に困難です。

ユーザーモード

ユーザーモードのルートキットは、通常のアプリケーションと同じ権限レベルで動作し、APIの挙動を改変して、プロセスやファイルを隠ぺいします。カーネルに直接アクセスできないため、影響範囲は限定的です。アプリケーションプログラミングインターフェースの動作を変更したり、標準ファイルを不正なファイルに置き換えたりします。

適切なセキュリティツールを用いれば検出・駆除できるものの、他のマルウェアを導入する足がかりとして利用されるため、注意が必要です。

ファームウェア

ファームウェアのルートキットは、ハードウェアを制御するファームウェアに直接侵入し、BIOSやUEFI、ネットワーク機器などのデバイスレベルで動作します。OSが起動する前から活動するため、検出が極めて困難であることに加えて、OSを再インストールでも除去できない持続性があります。

不正なファームウェアのアップデート適用や、ハードウェアの製造過程での埋め込み、物理的なアクセスによる、直接の改ざんなどが主な感染経路です。

ブートキット/ブートローダー

ブートキット/ブートローダーのルートキットは、マスターブートレコードやボリュームブートレコードといった、コンピュータの起動プロセスを制御する部分に感染します。OSが読み込まれる前に実行されるため、システム全体を制御することができます。

通常のファイルシステムの外に存在するルートキットであることから、標準的なセキュリティツールで検出するのは困難です。

ハイパーバイザー/仮想化

ハイパーバイザー/仮想化のルートキットは、オペレーティングシステムの下層に自らをロードし、ターゲットのOSを仮想マシンとして実行します。ハードウェアへの直接アクセスを傍受できるため、検出がほぼ不可能です。

このルートキットは非常に危険なタイプとされており、一度感染すると除去が困難です。予防が最も重要で、ハードウェア仮想化の安全な実装と監視が必要です。

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感染被害のリスク

ルートキットは、長期間にわたってシステムに深刻な被害をもたらす、高度なマルウェアです。ここでは、主な被害リスクを解説します。

管理者権限の奪取

ルートキット攻撃の主な目的は、システムの管理者権限を奪取することです。攻撃者がこの権限を取得すると、システム設定の変更や重要ファイルへのアクセスが可能になります。システムの完全な制御権を奪われて、セキュリティ機能の無効化などを実行されるリスクがあります

情報窃取と機密データの流出

ルートキットには、キーロガーやデータ収集ツールが含まれていることが多く、個人情報や企業の機密情報が流出する危険性があります。パスワードや企業機密といった重要データが窃取されると、プライバシー侵害や情報漏えいによる金銭的損失、法的責任問題へと発展する可能性があります。

Webサイト改ざんとユーザーへの二次被害

管理者権限の奪取により、企業のWebサイトが改ざんされるケースもあります。改ざんされたサイトを訪問したユーザーは不正サイトへ誘導されたり、マルウェアに感染したりする二次被害を受けます。サイト運営者はユーザーへの被害に対して、管理責任を問われる可能性もあります。

サイバー攻撃の踏み台としての悪用

感染したシステムは他組織への攻撃実行のための「踏み台」として悪用されることがあります。スパムメール送信やDDoS攻撃に加担させられて、知らぬ間に不正行為の加害者側になる危険性があります。発信元として記録が残るため、攻撃者として疑われ、企業の信用問題に発展することもあります。

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感染時の対処方法

ルートキット感染が疑われる場合、初めに一般的なセキュリティソフトでスキャンをした後に、ルートキット検出専用ツールを使用します。深刻な感染の場合はハードディスク初期化とOS再インストールが最も確実な対処法です。特にカーネルレベルの感染では、これが唯一の有効な対処法となります。

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ルートキット攻撃の予防対策

ルートキットは検出が難しいため、感染を未然に防ぐ対策をすることが最も重要です。ここでは、主な対策について解説します。

セキュリティソフト導入

ルートキット対策の基本は、信頼性の高いセキュリティソフトの導入です。特にEDR機能を備えたツールなら、システムの異常挙動をリアルタイムで監視し、ルートキットの兆候を早期に検知できます。既知・未知の脅威双方に対応するため、多層防御の構築が効果的です。

OS更新

ルートキットは、OSやアプリケーションの脆弱性を悪用して侵入するケースが多いため、定期的なアップデートの実行が重要です。セキュリティパッチを迅速に提供することで、既知の脆弱性を修正し、攻撃リスクを減らせます。また、自動更新機能の有効化もおすすめです。

脆弱性診断

企業システムの防御強化には、定期的な脆弱性診断が効果的です。診断によって弱点を特定し、効率的に改善ができます。特に管理者権限やカーネルレベルの脆弱性は、優先的に診断・修正すべき対象です。

外部メディア制限

USBメモリのような外部デバイスは、出どころ不明のものは接続を避けます。企業環境においては、利用制限ポリシーの実装が効果的です。外部デバイスを使用する場合は、事前にウイルススキャンをして、信頼できるデバイスのみを使用する運用を徹底します。

不審メール対策

フィッシングメールを思わせる不審な添付ファイルやリンクには警戒し、差出人不明な場合は開封せずに削除します。組織内でのセキュリティ啓発活動により、従業員の意識向上と不審メールの識別能力強化することも重要です。

関連記事:【メールセキュリティ最前線】その目的はウイルス感染防御と誤送信防止、コンプライアンス対応にあり

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ルートキット対策に有効な製品・サービス紹介

ここでは、ルートキットの脅威から企業を守るために有効な、メールセキュリティサービスを紹介します。

Microsoft 365 対応の多重メールセキュリティ

Cloud Mail SECURITYSUITE(CMSS)は、Microsoft 365環境のセキュリティを強化する、多層防御型サービスです。価格は月額200円からで、なりすまし対策、ビジネスメール詐欺対策、フィッシング対策を提供します。ルートキットの脅威は、サンドボックス技術で検出します。

メールの誤送信を防ぐ機能や添付ファイルチェック機能により、標的型攻撃の入口となるメール経由での感染を効果的に防止します。

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既存のメールシステムに対応する多重メールセキュリティ

MAILGATES Σ (メールゲーツ シグマ)は、オンプレミスとMicrosoft 365の両方に対応する、クラウド型メールセキュリティです。既存環境を変更せずに導入できる柔軟性が特徴で、エモテット対策やパスワード管理などの機能を提供します。

多層スキャンで、従来の対策では検出が困難なルートキットも検知します。企業メールを多角的に保護し、ルートキット感染リスクを大幅に軽減します。

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10万ID規模でも安定稼働の実績を持つ多重メールセキュリティ

MailGates (メールゲーツ)は、オンプレミス型でありながら、クラウド環境にも対応する高性能ソリューションです。10万ID規模でも安定して稼働する実績があり、日本企業特有のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。大規模組織においても効率的なルートキット対策を実現します。

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まとめ

ルートキットは、システムの深層に潜伏し、検出が困難なマルウェアです。一度感染すると、管理者権限の奪取、機密データの流出、Webサイト改ざん、サイバー攻撃の踏み台としての悪用など、深刻な被害をもたらします。

効果的な対策には、サイバーソリューションズ株式会社の「Cloud Mail SECURITYSUITE(CMSS)」がおすすめです。Microsoft 365環境や既存システムに対応し、なりすまし対策からサンドボックス分析まで、包括的なメールセキュリティを提供します。高度な保護機能を業界最安水準の価格で実現します。詳しくは、下記からサービス資料をご確認ください。

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