公開日

2025年10月21日

ふるまい検知とは?仕組みやメリット、対象について解説

ふるまい検知とは?仕組みやメリット、対象について解説

近年、サイバー攻撃の手法はますます巧妙化し、従来の対策だけでは脅威を防ぎ切ることが難しくなっています。こうした状況において注目されているのが、ふるまい検知と呼ばれる仕組みです。

本記事では、仕組みやメリット、対象、ツールの種類について解説します。

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ふるまい検知とは

ふるまい検知とは、プログラムの不審な動きを即座に検知し、マルウェアやウイルスによる攻撃を防ぐための仕組みです。

この方式は、既存のものだけでなく、新たなタイプにも対応できる点が強みです。従来のパターンマッチングでは対応できなかった脅威に対しても力を発揮するため、注目を集めています。

パターンマッチングとの違い

パターンマッチングは、不審なプログラムが既知のマルウェアのパターンと一致するかどうかを判定する方式です。パターンが一致すれば、高い確率でマルウェアを見つけられます。しかし、新種のマルウェアには対応できないという弱点があります。

一方、ふるまい検知は実際のプログラムの処理を監視して検知する方式で、未知の攻撃にも対応可能です。

EDRとの違い

EDR(Endpoint Detection and Response)は、端末に侵入した脅威の検知から対応までを一貫して行う方式です。ふるまい検知と同じくプログラムの異常を検知して機能しますが、EDRは検知から対応までをカバーしている点が違いとして挙げられます。

マルウェア検知との違い

マルウェア検知とは、システムに侵入したマルウェアを検出することです。ふるまい検知もパターンマッチングもマルウェア検知に含まれます。ただし、ふるまい検知は、マルウェアに限らずユーザの不審な行動も対象としている点が違いとして挙げられます。

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ふるまい検知が必要な理由

サイバー攻撃の手法は年々高度化・巧妙化しているため、従来のパターンマッチングによる対策では脅威を防げないケースが増えています。マルウェアは一日に100万種以上も新たに生み出されているとされ、未知の脅威に対しては対応が難しくなってきました。

ふるまい検知はプログラムの挙動に反応するため、未知の脅威にも対応しやすく、導入の必要性が高まります。

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ふるまい検知の方法・仕組み

ここでは、具体的な方法と仕組みについて解説します。

静的ヒューリスティック法

静的ヒューリスティック法は、プログラムを実行する前にコードを分析し、疑わしい内容を見つけ出してマルウェアを検知する方法です。プログラムの実行前に検知をするため「静的」と名前が付けられています。

一般的に「ヒューリスティック法」と表現される場合は、この方法を指しています。

動的ヒューリスティック法

動的ヒューリスティック法は、プログラムを実際に実行させたり、ファイルを開いたりした上で、 挙動からマルウェアを検出する方法です。安全性を担保するために、仮想環境であるサンドボックス を活用して検知をさせるケースもあります。サイバーソリューションズが提供するCloud Mail SECURITYSUITEでも、サンドボックスによる検知ができます。

静的な方法だけでは検出できない実行時の動作をベースに判断するため、システムに大きな負荷をかける点も特徴です。負荷を軽減するため、双方を組み合わせて活用されます。

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ふるまい検知の対象

ここでは、実際に検知を行う対象について解説します。

マルウェア・ウイルス

検知の対象は、マルウェアやウイルスの挙動です。いつもとは違った時間帯に発生する、ファイルのダウンロードを要求し続けるなど、通常とは異なる動きがみられた場合に脅威を検知します。

セキュリティパッチが配布される前に行われるゼロデイ攻撃に対して、ふるまい検知は非常に有効な対策です。

ネットワークトラフィック

ふるまい検知は、ネットワークトラフィックの異常検出にも活用されます。外部の不審なサーバとの通信や、通常より大量のデータ送信などが実行された際にふるまい検知は機能します。また、パスワードの総当たり攻撃やDDoS攻撃を素早く察知してくれる点も特徴です。

ユーザの異常な行動

ふるまい検知は、ユーザによる不正アクセスや権限変更といったリスクに対しても有効です。データを持ち出される危険性も少なくなるため、不正を防ぎやすくなります。

また、メールの文面が普段と異なるなど、細かい点に気づく上でもふるまい検知は役に立ちます。

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ふるまい検知のメリット

ここでは、活用するメリットについて解説します。

未知の脅威を検知できる

活用するメリットは、未知のマルウェアやゼロデイ攻撃などの脅威を検知できる点です。パターンマッチングのように、既知のパターンに依存するのではなく、プログラムの挙動そのものを監視するため、未知の攻撃にも対応できます。

結果的に、予想できなかった攻撃を防ぐこともでき、損失を抑えられます。

リアルタイムで検知できる

ふるまい検知は、システム上の動きをリアルタイムに監視・検知できる仕組みです。そのため、攻撃が起きる前に危険を察知し、即座にユーザに対してアラートを出せます。初動対応が早く取れるため、被害の拡大を防ぎやすい点は大きなメリットです。

パターンファイルの更新が不要

これまでに主流であったパターンマッチングでは、精度を維持するためにパターンファイルの定期的な更新が必須でした。しかしふるまい検知は、プログラムの中身ではなく挙動に着目するため、新しいマルウェアの情報を取得する必要がありません。

そのため、パターンファイルの未更新による穴が生まれるリスクを回避できるだけではなく、管理者の負担も軽減できます。

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ふるまい検知のデメリット

ここでは、活用するデメリットについて解説します。

システムに負荷がかかる

ふるまい検知は、プログラムの実行内容やユーザの操作などをリアルタイムで監視・検知するため、システムに多くの負荷がかかります。CPUやメモリに一定の負荷がかかることにより、端末のパフォーマンスが低下するケースもあります。

誤検知が発生する可能性がある

ふるまい検知は、プログラムやユーザの動きに基づいて不正を判断するため、正当な操作を誤って異常と判断してしまうリスクがあります。過剰に検知をした場合は、システムがストップする事態も考えられます。

問題のないプログラムに反応する可能性もあるため、その点を考慮して活用してください。

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ふるまい検知ツールの種類

ここでは、インストールによって検知をしてくれるツールの種類について解説します。

エンドポイントセキュリティ型

エンドポイントセキュリティ型のふるまい検知ツールは、パソコンやタブレットなどの端末、いわゆるエンドポイントにソフトウェア をインストールします。端末だけではなく、サーバもエンドポイントの対象です。

エンドポイントで実行すれば、マルウェアの侵入口での対処が可能となります。

ネットワークセキュリティ型

ファイアウォールやネットワーク機器に設置するふるまい検知ツールが、ネットワークセキュリティ型です。

マルウェアのなかにはエンドポイントを突破するものもありますが、ネットワークセキュリティ型があれば、侵入した脅威に対して対処できます。リスクを軽減するためにも、エンドポイントセキュリティ型と組み合わせて活用してください。

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まとめ

ふるまい検知は、社内の情報を守る上で有効な手段です。脅威に備えるためにも、活用を前向きに検討し、セキュリティ性の向上を図ることをおすすめします。

もしメール回りに関するセキュリティ性を高めたいと考えているなら、ぜひCloud Mail SECURITYSUITEの活用をご検討ください。サイバー攻撃を防げるシステムであるため、重要な情報を取り扱うメールでも安心してやり取りできます。安全かつ効率的なメール環境を整えたい際には、ぜひお問い合わせください。

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