公開日

2025年12月3日

クラウドセキュリティとは?基本概念やリスク対策、サービスの選定ポイントなどをわかりやすく解説

クラウドセキュリティとは

クラウドサービスの普及に伴い、企業にとってクラウドセキュリティの重要性が高まっています。適切なセキュリティ対策を講じることで、データの保護と業務継続性を確保できます。

本記事では、クラウドセキュリティの基本概念からセキュリティの高いクラウドサービスの選び方まで詳しく解説します。

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クラウドセキュリティとは

クラウドセキュリティとは、クラウド環境におけるデータとシステムを保護するための総合的な取り組みです。

従来のオンプレミス環境とは異なり、責任共有モデルが適用されます。クラウドプロバイダは物理的なインフラとプラットフォームレベルのセキュリティを担当しますが、利用企業の責任範囲はサービス形態によって大きく異なります。

IaaSでは仮想マシン以上、PaaSではアプリケーション層、SaaSではデータとアクセス制御が主な責任領域となります。この役割分担を正確に理解することが、効果的なセキュリティ対策実現の基盤となります。

主なクラウドセキュリティの種類

クラウドセキュリティと一口にいっても、さまざまな種類が存在します。以下では、主なクラウドセキュリティの種類について解説します。

CASB

企業や組織のユーザーが利用する各種クラウドサービスの間にセキュリティコントロールの中継点を設け、一元的に可視化・制御する仕組みです。2012年に米ガートナー社によって提唱された概念で、主にSaaSなどのクラウド利用におけるセキュリティリスクを軽減するために活用されています。また、把握できていないクラウド利用を可視化し、情報漏えいリスクを防ぐことが可能です。

CWPP

クラウド上で稼働する仮想サーバー、コンテナ、サーバーレスなどのワークロードを保護するためのセキュリティ製品です。ワークロードに潜む脆弱性のスキャン、マルウェアをはじめとする不正なプログラムの実行の防止、設定の不備の監視などの機能を提供します。

CSPM

AWSやAzure、GCPなどのクラウドインフラ(IaaS/PaaS)の設定ミスや脆弱性を継続的に監視し、セキュリティリスクを防ぐソリューションです。人間が見落としがちなクラウドの設定不備や脆弱性をリアルタイムで発見してくれます。どこに危険があるかをダッシュボードで分かりやすく表示し、一部のミスは自動で直すことが可能です。

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経済産業省の「クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン」を解説

企業や組織が安全にクラウドサービスを導入、利用するための指針や考え方がまとめられた手引書です。安全なクラウド利用の考え方をはじめ、主なリスクと対策の提示、利用者と事業者の役割分担などがわかります。

クラウド導入を検討中の企業や現在の対策レベルを確認したい企業は、このガイドラインを参考に自社の取り組み状況を評価し、不足している対策を洗い出せます。

※参考:クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン|総務省

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クラウド環境で発生するセキュリティリスク

クラウド導入時に最も気になるのがセキュリティ面のリスクです。どのような脅威があるかを把握する必要があります。

1.データ消失

システム障害や操作ミスによってクラウド上のデータが失われるリスクが存在します。プロバイダ側の設備障害だけでなく、利用者の設定ミスや誤削除も主要な原因です。

複数のクラウドサービスを連携させている場合、1つのサービスで発生した問題が他のシステムにも波及し、被害が拡大する可能性があります。

2. 情報漏洩

不適切なアクセス制御設定や認証情報の流出により機密データが外部に漏れるリスクです。アクセス権限の設定ミスが特に深刻で、意図せずデータがパブリックアクセス可能な状態になってしまうケースがあります。

内部関係者による不正アクセスや、パスワード管理の甘さも情報漏洩の原因となり、企業の信用失墜に直結します。

3.サイバー攻撃

マルウェアやランサムウェアによる被害や、DDoS攻撃などがクラウド環境でも発生しています。2025年現在、AIを悪用した攻撃が急増しており、攻撃者はより効果的でステルス性の高い手法を開発しています。

攻撃者がクラウド環境の脆弱性やセキュリティの隙を発見し、攻撃を開始するまでの時間は10分以内と短時間で展開されることもあり、API脆弱性や連携部分を標的とした攻撃により複数企業への同時攻撃が増加傾向にあります。

4.シャドーIT

従業員が承認を得ずに個人的にクラウドサービスを業務利用することで生じるリスクです。企業管理外のサービスにビジネスデータが保存されることで、データガバナンスの維持が困難になります。

セキュリティ基準や利用規約が不明なサービスの利用により、情報漏洩リスクが高まり、コンプライアンス違反を招く恐れもあります。

5.不正アクセス

正当な権限を持たない第三者が、ネットワーク経由でコンピューターやサーバー、情報システムに許可なく侵入・利用する行為を指します。不正アクセスされると、個人情報や機密データが外部に盗まれたり、他のシステムを攻撃するための加害者に仕立て上げられたりします。盗み出した他人のIDやパスワードを利用したなりすまし、パスワード総当たり、脆弱性の悪用などが主な手口です。

直近では、GMOインターネットのクラウドサービスが不正アクセスを受け、利用者のFX口座が不正操作される被害が発生しています。その結果、GMOインターネットは全利用者への見舞金の支払い、不正取引の補償などの対応に追われることになりました。

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クラウドサービスを利用する企業が実施すべきセキュリティ対策

リスクを把握したら次は対策の実装です。効果的なセキュリティ対策により安全にクラウドを活用できます。

1. データ暗号化とキー管理(BYOK)

クラウド上のデータは保存時と転送時の両方で暗号化を実施します。特に重要なのは、暗号化キーの管理です。BYOKのような仕組みを活用し、クラウド事業者から独立した強固なキー管理を行うことで、データ保護の実効性をさらに高められます。

2.ユーザー認証・アクセス制御の強化

多要素認証の導入と、業務上必要な最小限の権限のみを付与する運用が必須となります。各従業員には担当業務に必要な範囲のみアクセス権を与え、それ以外のデータや機能には一切触れられないよう制限することで、万一アカウントが乗っ取られても被害を最小限に抑えられます。

管理者アカウントの厳格な管理とシングルサインオンの活用により、不正アクセスのリスクを大幅に軽減可能です。

3. 脆弱性の検知

定期的なセキュリティ監査と脆弱性スキャンを実施します。クラウド環境では設定変更が頻繁なため、自動化された監視ツールによるリアルタイムでの脅威検知が不可欠です。

AIを活用した異常検知システムの導入により、従来では発見困難な攻撃パターンも早期に発見し、迅速な対応が可能となります。

4. データのバックアップ

複数地域や異なるプロバイダへの分散バックアップが重要です。定期的な復旧テスト実施により災害時の確実な復元を保証し、バックアップ自動化システムの構築により人的ミスを防止できます。

バックアップデータの暗号化と世代管理を実施することで、ランサムウェア攻撃からも効果的に保護できます。

5. 従業員の意識教育

セキュリティ事故の多くは、最新のITツールをすり抜ける人間の油断、知識不足などによって発生します。システムだけでは防げないヒューマンエラーや、巧妙化するサイバー攻撃から組織を守るためにも、従業員の意識教育は徹底しましょう。具体的な方法として、入社時にセキュリティに関する研修を実施する、従業員向けの講習会を開催するなどがあげられます。

h3:6. 事業者の選定

セキュリティ対策を他社に丸投げしても、最終的な責任は自社にあります。適切な事業者を選定できなければ、コストが無駄になるだけでなく、最悪の場合は自社の信用失墜や経営危機に直結しかねません。そのため、データバックアップ機能があるか、不正アクセスを防止する対策があるかなどを重視しましょう。

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クラウドサービスの安全性を証明する5つのセキュリティ基準

信頼できるクラウドサービスを選ぶにはセキュリティ基準認証の確認が重要です。どの認証を取得しているかでセキュリティレベルを判断できます。

1. ISMSクラウドセキュリティ認証

通常のISMS認証にクラウド特有のセキュリティ管理策を追加した、日本独自の認証制度です。国際規格であるISO/IEC 27017を基準としており、クラウドサービス固有のリスクに対応した管理策が適切に実施されていることを証明します。

企業や一般利用者が安心してクラウドサービスを利用できることを目的とし、JIPDECの認証基準に沿って厳格な審査が行われます。

2. CSマーク

日本セキュリティ監査協会が推進するクラウド情報セキュリティ監査制度による認証マークです。ISO/IEC 27017に準拠した監査制度により、ゴールドとシルバーの2種類の保証レベルが設定されています。

シルバーは自主監査による認証で、ゴールドはより高い信頼度を示し、クラウドサービス事業者の透明性向上に貢献しています。

3. CSA STAR認証

Cloud Security Allianceが提供する国際的なクラウドセキュリティ認証制度です。3つのレベルに分かれており、Level1はセルフアセスメント、Level2は第三者認証、Level3は継続的監視による認証となります。

CAIQ質問票とCCM管理策に基づいて評価され、プロバイダの透明性を確保し、利用者が安全にサービスを選択できる環境を提供しています。

4. ISMAP

政府が求めるセキュリティ基準を満たしているかを評価、登録する制度です。ガバナンス基準、マネジメント基準、管理策基準の3つの柱からなり、ISMSをはじめとする国際規格や米国のNISTガイドラインなどを基に策定されています。国の行政機関や独立行政法人などでは、クラウドサービスを利用する際にISMAPに登録されたサービスを選ぶことが基本方針となっています。

5. SOC2(SOC2+)

米国公認会計士協会が定めるTrustサービス原則に基づくセキュリティ基準です。セキュリティ、可用性、処理インテグリティ、機密保持、プライバシーの5つの評価基準から必要な項目を選択してSOC2監査報告書を取得します。

設計の有効性を評価するType1と運用の有効性を評価するType2があり、クラウド事業者の内部統制について第三者による客観的な保証を提供する重要な認証制度です。

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セキュリティの高いクラウドサービスを選ぶ際のポイント

認証だけでなく実際の機能や運用面も重要な選定ポイントです。長期的に安心して利用できるサービスを見極めてください。

セキュリティ機能が豊富でカスタマイズの柔軟性がある

暗号化、アクセス制御、監視機能などの基本的なセキュリティ対策が充実していることが前提となります。

さらに自社の運用に合わせて細かな設定変更ができるカスタマイズ性も重要で、IPアドレス制限、デバイス制限、多段階のアクセスコントロールなどが柔軟に設定できるサービスを選択すべきです。

セキュリティ基準の認証を取得している

前述したセキュリティ基準の認証取得状況を必ず確認します。複数の認証を取得していることは継続的なセキュリティ向上への取り組みを示す指標の一つですが、認証の数だけでなく、自社の業界や取り扱うデータに適した認証内容であるかを重視すべきです。

また、認証取得後の運用実態や監査結果の開示状況、セキュリティインシデントへの対応履歴なども併せて評価し、実効性のあるセキュリティ体制を持つプロバイダを選定することが重要です。

サポートが手厚く透明性がある

24時間365日のサポート体制、迅速なインシデント対応能力、定期的なセキュリティ情報の開示など、運用面での手厚いサポートを提供するプロバイダを選択します。

障害発生時の対応手順やデータセンターの所在地、バックアップ体制などの情報が透明に公開されていることで、安心してサービスを利用できる環境が整います。

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まとめ

クラウドセキュリティは現代企業にとって避けて通れない重要課題となっています。データ消失、情報漏洩、サイバー攻撃、シャドーITといったリスクに対し、暗号化、認証強化、脆弱性検知、バックアップ、信頼できるプロバイダ選定などの総合的な対策が必要です。

さらにセキュリティ基準認証の確認と、機能面での柔軟性やサポート体制を重視したサービス選定により、安全で効率的なクラウド活用が実現できます。

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