ビジネスでGmailを使用している企業は多くあります。しかし、送受信したメールが意図せずに、迷惑メールフォルダに振り分けられるケースも少なくありません。この記事では、Gmailが迷惑メールフォルダに振り分ける基準や理由を解説します。さらに、迷惑メールの解除方法や、特定のメールを迷惑メールとして設定する手順も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
Gmailにおける迷惑メールとは?
迷惑メールとは、受信者の意志を問わず一方的に送られてくるメールのことです。スパムメールと呼ばれることもあります。Gmail側が自動的に迷惑メールと判断し、迷惑メールフォルダに分類する仕組みです。
関連記事:迷惑メールとは?迷惑メールが届く原因、受信拒否や対処法をわかりやすく解説
Gmailの迷惑メールに注意しておかなければならない理由
Gmailの迷惑メールフォルダに入ったメールは、30日後に自動的に削除されます。万が一、重要なメールが誤って振り分けられてしまうと、気づかないうちに消えてしまう可能性があります。さらに、迷惑メールフォルダ内のメールは、一度削除されると復元できません。定期的に迷惑メールフォルダを確認し、必要なメールが埋もれていないかチェックすることが大切です。
Gmailで迷惑メールとして振り分けられる基準や理由
そもそも、なぜGmailの迷惑メールフォルダに振り分けられるのでしょうか。ここでは、迷惑メールとして振り分けられる基準および理由について解説します。
不正なURLや添付ファイルが含まれている
以下のような条件を満たすメールは、Gmailが不正なURLや添付ファイルと判断するため、迷惑メールとして振り分けられます。
・短縮URLが含まれている
・特定の形式のファイルが添付されている
・URL欄に鍵マークがなく暗号化されていない
送信元の評価が低い・確認できない
複数のユーザからスパムと報告されているアドレスから送られたメールは、迷惑メールとして振り分けられることがあります。また、本来のドメインの持ち主とは異なるサーバから送信されるなど、送信元が正しいかGmail側で確認できないメールも同様です。
メールの形式や構造に問題がある
メールのHTMLコードに不自然な記述があったり、大量の非表示テキストが含まれていると、迷惑メールとして判定される可能性が高くなります。また、テキストを画像に埋め込んだメールも、Gmailのフィルターによってスパムと判断されることがあります。適切な形式で作成し、不必要な装飾や隠し要素を避けることが大切です。
別サーバを経由している
Gmailは、別サーバを経由して送信されているメールについて、トラブルを誘発する危険なメールとして、迷惑メールフォルダに振り分ける仕組みです。メルマガスタンド、CGI、プログラムなどからのメールは、送信元のメールアドレスのドメイン以外と判断されることがあります。
Gmailガイドラインに反している
Googleが設定している、メール送信者のガイドラインに反している場合は、迷惑メールフォルダに振り分けられます。なお、2024年2月にガイドラインが更新され、セキュリティ要件が厳しくなりました。
※参考:メール送信者のガイドライン|Google Workspace 管理者 ヘルプ
なりすましの可能性がある
有名サイトに似せたアドレスを使用している場合など、なりすましメールと判定された場合は、迷惑メールに振り分けられます。例えば、アルファベットのO(オー)と数字の0(ゼロ)など、ぱっと見で判断できないようなドメインになっているケースが考えられます。
空メールである
件名や本文がないメールは、送信先のメールアドレスが使えるかを確認していると判断されるため、迷惑メールに分類されるケースが多い傾向があります。件名と本文に簡単な文字や短い文章を記載すると、空メールと判断されにくくなります。
迷惑メールに設定している
ユーザ自身が特定のメールアドレスを指定し、ブロックしている場合もあります。一度ブロックをしたら、解除しない限り迷惑メールと認識され続けるため、通常のメールとして受け取る場合は設定を変えなければなりません。
Gmailで迷惑メール設定を解除する方法
Gmailで迷惑メール設定を解除する方法は次のとおりです。
1.画面左のメニューから「迷惑メール」をクリックする
2.解除したいメールを選ぶ
3.画面上部に「完全に削除」「迷惑メールではない」というメニューが現れるので「迷惑メールではない」をクリックする
Gmailで迷惑メール設定・報告する方法
Gmailで迷惑メールを設定・報告する方法は次のとおりです。
Gmailで迷惑メール設定を行う方法
Gmailで、受信したメールを迷惑メールに設定するには、ブロック機能を使います。手順は以下のとおりです。
1.Gmailの受信トレイを開く
2.該当するメールを開く
3.右上のオーバフローメニュー(縦に3つ並んだ点)をクリックする
4.「○○さんをブロックする」を選ぶ
Gmailで迷惑メールを報告する方法
Gmailでは、迷惑メールである旨を報告すれば、今後、同じ差出人名や似たような名前で届くメールについて、迷惑メールフォルダに振り分けることができます。報告は次のように行います。
1.Gmailの受信トレイを開く
2.該当するメールを開く
3.右上のオーバフローメニュー(縦に3つ並んだ点)をクリックする
4.「迷惑メールを報告」をクリックする
Gmailの迷惑メールを一括削除する方法
Gmailでは、迷惑メールを一括削除する方法もあります。状況により次のいずれかの方法で行いましょう。
メールを検索して一括削除する方法
消去したいメールを検索して一括削除する方法は次のとおりです。ただし、2025年3月現在はパソコンからの操作に対応しているのみで、スマートフォンで一括削除はできません。
1.削除したいメールの宛先を検索する
2.「すべて選択」をクリックする
3.ゴミ箱アイコンをクリックする
なお、ゴミ箱に移動したメールは30日間保存されるものの、その後は自動的に完全削除されます。
フィルタ機能を使って一括削除する方法
フィルタ機能とは、受信メールを管理するための自動処理ツールです。見たいメールを探す機能ですが、以下の手順で削除もできます。
1.Gmailを開き、右側の歯車のアイコンをクリックして「設定」を選ぶ
2.「フィルタとブロックのアドレス」を選ぶ
3.「新規フィルタ作成」ボタンを選ぶ
4.出てきた画面の「From」欄に、迷惑メールにしたいアドレスの「@マーク以降」を入力する
5.「削除する」と「〇件の一致するスレッドにもフィルタを適用する」を選ぶ
6.「フィルタ作成」をクリックする
Gmailで送信する自社メールが迷惑メールに振り分けられないようにする方法
企業がメールを送信する際、迷惑メールに分類されてしまうと、相手に正しく届かず業務に支障をきたす可能性があります。そのため、適切な対策を講じることが重要です。迷惑メールとして判定されないようにするため、以下のポイントに注意しましょう。
空メールを送らない
件名や本文が空欄のままだと、迷惑メールと判断されてしまうケースがあります。したがって、従業員には、メールを送る際、件名と本文に抜け漏れがないかを確認するように周知を徹底しましょう。
一括メール送信のガイドラインを遵守する
Gmailでは、一括送信ガイドラインを設定しています。違反すると迷惑メールと認定されてしまうことがあるため、一括送信を行う可能性がある部署・従業員に対し、ガイドラインの十分な理解を促さなければなりません。ガイドラインには「すべての送信者に適用される要件」と「1日あたり5,000件以上のメールを送信する場合の要件」があります。どちらに該当するか精査し、適切な対応をとりましょう。
※参考:メール送信者のガイドライン|Google Workspace 管理者ヘルプ
送信ドメイン認証を行う
迷惑メールと認定されないためには「送信ドメイン認証」を行うことも効果的です。送信ドメイン認証とは、送信元がなりすましメールかどうか判断する仕組みで、次の2種類があります。
SPF(Sender Policy Framework)
SPF(Sender Policy Framework)は、送信元ドメインが偽装かどうかを判断することのできる技術です。具体的には、IPアドレスと送信元ドメインが合っているかを確認し、偽装かどうかを判断します。ただし、迷惑メール以外でも、サーバ間をデータ転送されると正しく判断できないことがあります。
DKIM(DomainKeys Identified Mail)
DKIM(DomainKeys Identified Mail)は、電子署名によって、メール送信元が詐称されていないかどうかを判断する技術です。送信メールに電子署名が付与されていると、受信時にメールが本物かどうかを検証し、なりすましやメールの改ざんを検知します。DKIMには、普及率や認知度が低いというデメリットがあり、利用には慎重な判断が必要です。
企業でメールを送受信するならメール配信システムがおすすめ
企業から一斉配信する場合、Gmailでは配信機能に限界があるため、メール配信システムの利用をおすすめします。Gmailの場合、一通のメールを送信する件数に制限があり、一斉送信するメルマガ配信などには向いていません。また、無効なアドレスにメールを大量配信すると、迷惑メールと判断されるリスクもあります。
一方、メール配信システムなら、最新のセキュリティ対策や認証技術を活用し、送信メールの信頼性を向上させることが可能です。さらに、メールの自動化や業務効率化にも役立つため、一斉配信を行わない企業でも導入するメリットがあります。
まとめ
メールが迷惑メールフォルダに振り分けられると、受信者に気づかれず、重要な情報が届かないリスクが生じます。企業にとっては業務の妨げとなるため、正しいメールの送り方を実践し、自社のメールが迷惑メールと判断されないよう注意しましょう。
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