迷惑メールが届いた際に、開くだけなら大丈夫ではないかと考えている人もいるかもしれません。しかし実際は、開いただけでも被害が発生する可能性のあるメールが存在します。
本記事では、迷惑メールを開くことの安全性について解説します。迷惑メールが原因で被害に遭わないための対策や、迷惑メールによるウイルス感染を防ぐ方法なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
迷惑メールとは?
迷惑メールは、受信者側が求めていないにもかかわらず、一方的に送られてくる電子メールです。スパムメールという呼び名も、迷惑メールの別名として広く浸透しています。
総務省が発表しているデータによれば、2024年3月の時点で、国内ISP10社が受信したメールの約35%強が迷惑メールでした。近年のビジネスシーンでは、迷惑メールが引き起こす問題が懸念されており、迷惑メールに振り分けられた重要な連絡を見逃すリスクや、セキュリティ対策の手間などが課題となっています。
関連記事:迷惑メールとは?迷惑メールが届く原因、受信拒否や対処法をわかりやすく解説
参考:電気通信事業者10社の全受信メール数と迷惑メール数の割合(2024年3月時点)
代表的な迷惑メールの種類
迷惑メールとしてよく見られる、ウイルスメール、フィッシングメール、広告宣伝メールを紹介します。
ウイルスメール
ウイルスメールは、受信者のデジタル端末を不正なプログラムに感染させる目的で送信される電子メールです。悪意ある送信者は、メールにウイルスを添付したり、ウイルスを仕込んだWebサイトのURLをクリックさせたりして、感染を狙います。
フィッシングメール
フィッシングメールは、送信者が特定の企業やサービスであるかのように偽って、詐欺サイトへ誘導しようとする迷惑メールです。誘導先の詐欺サイトは、正規のサイトに似せて巧妙に作られています。詐欺サイトに入力した個人情報やクレジットカード情報などは、盗まれてしまいます。
広告宣伝メール
広告宣伝メールは、商品やサービスの宣伝を目的としたメールですが、なかには詐欺サイトや悪質なショッピングサイトに誘導するものもあります。単純に商品やサービスの販売を目的としている広告宣伝メールでも、特定電子メール法に違反している場合は迷惑メールとして扱われます。
迷惑メールは開くだけなら大丈夫?
迷惑メールを開くことの安全性に関して、添付されたURLやファイルの取り扱いについて解説します。
URLをクリックしていなければ問題ない可能性が高い
迷惑メールの主な目的は、受信者を不正サイトへ誘導することです。そのため、メールを開いただけの段階では、被害が発生しにくいケースが一般的です。しかし、記載されたURLを操作してしまうと、マルウェア感染やフィッシング詐欺など、深刻なリスクに直面する可能性があります。URLをクリックしないように、細心の注意が必要です。
ファイルをダウンロードしていなければ問題ない可能性が高い
添付ファイルに手を触れずにメール本文を閲覧するだけであれば、受信者の安全性は保たれやすいと考えられます。特に「exe」や「bat」といったファイルには、悪意あるプログラムが仕込まれている確率が高い傾向にあります。該当するファイルは、ダウンロードしてはいけません。
開くだけで被害が発生する可能性のあるメールの特徴
開くだけで被害が発生する可能性のある迷惑メールも存在します。特徴を把握し、不用意にメールを開かないようにしましょう。
HTML形式のメール
HTML形式のメールは、画像やリンク、スクリプトなどを埋め込めるため、視覚的に分かりやすいのが特徴です。一般的な形式ですが、悪意のある送信者がこの仕組みを悪用し、開封しただけでウイルス感染を狙うケースもあります。
近年ではセキュリティ対策が強化されており、メールを開くだけで深刻な被害を受けるリスクは低下しています。ただし、不審なリンクのクリックや添付ファイルの開封には十分注意が必要です。
Webビーコンが付いたメール
一部の迷惑メールには、目に見えないWebビーコンと呼ばれる機能が組み込まれています。Webビーコンはメールの開封を検知するツールで、メールアドレスが実際に使用されているかを確認するために利用されます。
メールの開封が検知されれば「活動中のアドレス」と判断され、さらに多くの迷惑メールが送られてくるかもしれません。
迷惑メールが原因で被害に遭わないための対策
迷惑メールが原因で被害に遭わないための対策を解説します。
端末のネットワーク接続を切断する
迷惑メールや添付ファイルを誤って開いてしまった際には、即座にインターネット接続を遮断しましょう。万が一端末がウイルス感染した際に、個人情報や重要データが外部へ流出するリスクを大幅に低減できます。
セキュリティ対策ソフトでスキャンを実行する
不審なメールに接触した後は、セキュリティソフトによるスキャンが必須です。デバイス内に感染している可能性のあるウイルスを検出しましょう。駆除機能が搭載されている場合は、即座にウイルスを削除することで、被害の拡大を防止できます。
送信元のアドレスを詳細に確認する
一見して見覚えのある企業名やサービス名が表示されている場合でも、よく見るとドメインが微妙に異なるケースが多々あります。正規のサービスに似せた巧妙な偽装がなされるケースが増えているため、アドレス部分を注意深く確認しましょう。
また、公式サイトで類似の詐欺メールに関する注意喚起を行う企業やサービスもあります。不審に感じたら公式サイトの情報も確認するとよいでしょう。
本物であるかどうか問い合わせる
判断に迷う場合は、メール本文に記載されている連絡先ではなく、公式サイトから取得した連絡先に直接問い合わせましょう。近年の偽装は精巧で見分けが困難なケースが増えているためです。また、知人から不審なメールを受け取った際は、安全のために別の連絡手段で本人に確認しましょう。
指示通りにインストールしたアプリを削除する
迷惑メールの誘導でインストールしてしまったアプリは、直ちに削除するべきです。さらに、セキュリティソフトのウイルス除去機能を活用し、デバイス全体のスキャンを実行して隠れた脅威がないか確認しましょう。二次感染の可能性も考慮し、ほかのウイルスの感染や問題がないかも徹底的に調査してください。
パスワードの変更やカードの利用停止をする
迷惑メールによって不審なアプリをインストールしたり、詐欺サイトで個人情報を入力したりした場合は、被害を広げないための対処が必要です。
情報漏洩の可能性がある場合は、関連するすべてのパスワードを即座に変更し、二段階認証を設定してセキュリティを強化しましょう。クレジットカード情報を入力してしまった場合は、カード会社に連絡して利用停止の手続きを行うことで、被害の拡大を防止できます。
迷惑メールによるウイルス感染を防ぐ方法
迷惑メールによるウイルス感染を防ぐ方法を解説します。日常的なセキュリティ対策で企業や関係者を守りましょう。
OSや各種ツールのアップデートを欠かさない
パソコンのOSやメールソフト、セキュリティツールなどに脆弱性があると、攻撃されて被害が発生する可能性があります。脆弱性を排除するために、OSや各種ツールは定期的にアップデートして、最新の状態を保ちましょう。
フィルタリング設定を見直す
メールのフィルタリング設定を見直すことで、迷惑メールによるウイルス感染のリスクを減らせます。フィルタリング設定とは、迷惑メールを自動で判定し、ブロックしたり警告を表示したりする機能のことです。フィルタリング設定を最適化して、HTMLメールの非表示化やスクリプトの実行を禁止する機能を活用すると、より安全性を高められます。
送信元のアドレスを確認する
迷惑メールの送信元のメールアドレスを確認し、不自然ではないかチェックするよう習慣づけましょう。例えば、企業からのメールであっても、送信元のメールアドレスの@マーク以降に、日本語表記で企業名が記されているものは迷惑メールの可能性があります。
公的機関や大手企業を名乗りつつもフリーアドレスを利用している場合も、迷惑メールの可能性があるため注意してください。
セキュリティソフトを起動しておく
迷惑メールの対策機能があるセキュリティソフトを導入している場合は、常時起動させておきましょう。自動で迷惑メールを振り分けてくれる設定が適切になされていれば、被害を受けるリスクを大幅に減らしつつ、日々の対応作業も効率化できます。
まとめ
迷惑メールの多くは、添付されたURLをクリックしたり、ファイルを開いたりしなければ被害を受けないとされています。しかし、なかには開封しただけで被害が生じる可能性のある迷惑メールも存在します。開くだけなら大丈夫と油断せず、日頃から適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。
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