メール誤送信はよくある人為的なミスです。しかし、個人情報や機密情報の漏洩など、重大な事故につながる可能性もあるため、十分な対策を講じる必要があります。
本記事では、メール誤送信のリスクや原因、対策について解説します。メールセキュリティを高めるための参考にしてください。
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目次
メール誤送信とは
メール誤送信とは、宛先の入力ミスや添付ファイルの間違い、誤情報の記載などにより、意図しない情報を送信してしまうミスです。日常的にメールを使うビジネスパーソンの多くが、何らかの誤送信を経験しています。メール誤送信の件数は、パソコンの普及やITコミュニケーションの発展とともに増加しています。
関連記事:ビジネスパーソンの6割が経験するメール誤送信:効果的な対策とサービスの選び方ポイント!
メール誤送信によるリスク
メール誤送信は、個人情報や機密情報の漏洩につながる重大なリスクがあります。例えば、顧客リストが流出し、企業の信頼を大きく損ねる事例が発生しています。
企業の情報漏洩の原因として、サイバー攻撃やマルウェア感染が注目されやすいですが、メール誤送信の割合も少なくありません。個人情報漏洩事件・事故では、24.5%がメール誤送信によるものという調査結果もあります(※)
※関連記事:メールによる情報漏えいの原因は誤送信とマルウェア感染だった!必要な対策を解説
メール誤送信の主な原因
メール誤送信の主な原因は、宛先の入力ミス、添付ファイルの間違い、メール内容の誤送の3つに分けられます。
宛先の入力ミス
宛先の入力ミスとは、メール送信時に誤った宛先を選択・入力してしまうミスです。具体的には、アドレスのタイプミスやコピペミス、オートコンプリート(自動補完)機能の誤操作などがあります。また、CCとBCCに関係者以外を追加してしまうことも、よくあるミスです。
添付ファイルの間違い
添付ファイルの間違いとは、送信時に意図しないファイルを添付してしまうミスです。似たファイル名や保存場所によるミスが主な原因です。機密情報や個人情報を含むファイルを誤って添付すると、重大な情報漏洩につながる可能性があります。
メール内容の誤送
メール内容の誤送は、文章の誤入力のほか、過去のメールや別の文書を再利用した際に、コピー元や貼り付け先を間違えることで起こります。これらは情報の誤解や業務の混乱を引き起こし、取引先や社内の信頼関係に影響を与えるリスクがあります。
誤送信お詫びメールの作成ポイント
誤送信お詫びメールには、含めるべき内容やフレーズがあります。件名や本文の作成ポイントを解説します。
件名の明記
メールの件名は、誤送信の内容や重要度に応じて適切に設定します。重大な誤送信の場合、「【お詫び】メール誤送信のご連絡」などと目立つ件名にし、相手が迅速に気付くようにしましょう。誤字・添付漏れなど軽微なミスの場合は、「【再送】○○について」「【訂正】○○の件」のような件名にし、過度な不安を与えないようにします。
誤送信の内容と謝罪
誤送信のお詫びは、誠実かつ簡潔に伝えましょう。要旨では、誤送信の事実を簡潔に述べ、謝罪の気持ちを明確に伝えます。本文では、どのような誤送信が発生したのか具体的に説明することが重要です。そのうえで、添付ファイルの誤りであれば「最新のものをご確認ください」など、相手に与えた影響を考慮して対応を記載します。
再発防止策の提示
誤送信お詫びメールが形式的な謝罪で終わらないよう、今後の対策を記載し、誠意を示す内容も必要です。例えば、「今後は送信前のチェックを徹底し、厳重に注意いたします」「送信フローを見直し、確認体制を強化いたします」のように、具体的な改善策を述べると信頼回復につながります。
原因別・誤送信お詫びメールの例文
ここでは、原因別のメール例文を、重要箇所を抜粋して紹介します。前述した作成ポイントのフォーマットを踏まえ、文章をアレンジして活用してください。
宛先ミスにおける誤送信お詫びメールの例文
宛先ミスの誤送信お詫びメールは、以下の件名と文例が考えられます。
<件名例>
・【至急】誤送信のお詫びと対応のお願い
・【お詫び】誤送信メールの削除のお願い
<文例>
・「誤って本来の宛先ではない方にメールを送信してしまいました。もし開封されていた場合、内容の取り扱いには十分ご注意いただき、削除をお願いいたします。」
・「この度はメールを誤送信してしまい、大変申し訳ございません。先ほどお送りしたメールは破棄いただけますでしょうか。」
添付ファイル間違いにおける誤送信お詫びメールの例文
添付ファイルの誤送信では、ファイルの重要度に応じて文面の調整が必要です。
<件名例>
・【重要】添付ファイルの誤送信についてのご連絡
・【訂正とお詫び】誤った添付ファイルを送信しました
<文例>
・「本来送信すべきではない機密情報を含むファイルを添付してしまいました。大変申し訳ございませんが、該当のメールを開封せず、削除していただきますようお願い申し上げます。」
・「先ほどのメールに古いバージョンのファイルを添付してしまいました。正しいファイルを添付いたしましたので、ご確認をお願いいたします。」
メール内容の誤送における誤送信お詫びメールの例文
メール内容の誤送では、間違った箇所を簡潔に伝えます。該当箇所が多い場合は、再送する方法もあります。
<件名例>
・【重要】誤ったメール内容の送信についてのご報告
・【メール訂正】誤りがありましたので再送いたします
<文例>
・「先ほどのメールに誤った情報が含まれておりました。お詫び申し上げます。正しい情報を改めて送信いたしますので、ご確認をお願いいたします。」
・「先ほどのメールに記載した○○(日程、金額など)に誤りがありました。正しい情報を以下に記載いたしますので、こちらをご参照ください。」
法人向け・誤送信発覚時の初動対応
誤送信が発生した際は、初動対応が重要です。上司への報告、相手先への謝罪、影響範囲の確認の3つに分けて解説します。
上司への迅速な報告
重大な誤送信の場合は、自己判断せず、直ちに上司に報告して指示を仰ぎます。個人のミスで済まず、会社の信用問題やトラブル拡大に発展する可能性があるからです。スムーズに適切な対応を取るには、誤送信発生時の報告ルールを定めておき、社内で共有する必要があります。
先方への連絡と謝罪
迅速な謝罪と対応の依頼も、被害拡大を防ぐために欠かせません。件名には【重要】【至急】などを入れ、すみやかな対応を相手に促します。誤送信の内容が個人情報や機密情報を含む場合、メールの削除も依頼しましょう。
メールだけでは相手が気付かず、対応が遅れる可能性がある場合には、電話や対面での連絡も必要です。
影響範囲の確認
誤送信した宛先、内容、添付ファイルの有無を確認し、影響範囲を特定します。情報漏洩のリスクがある場合は、専門部署との連携が必要です。
例えば、顧客の個人情報が流出した際は、法務部門へ報告して対応を協議します。影響が広範囲に及ぶ場合は、情報システム部門と連携し、誰に送られたか、転送が行われたかをログで追跡してもらいます。
法人向け・メール誤送信の防止策
メール誤送信を減らすために、企業としてどのような対策ができるのでしょうか。ここでは、メールソフトの設定や業務ルールでの対策を紹介します。
送信取り消し機能の活用
一部のメールサービスには、送信後一定時間内であれば送信を取り消す機能が備わっています。送信ボタンを押した直後に間違いに気付いた場合に、キャンセルが可能です。送信取り消し機能の設定をセキュリティルールとして明記すると、組織単位で誤送信を減らすのに効果的です。
オートコンプリート機能の無効化
メールソフトのオートコンプリート機能(自動補完機能)は便利ですが、同姓の相手や似たアドレスを誤って選択してしまい、誤送信につながる可能性が増えます。そのため、特に機密情報や個人情報を扱う企業では、セキュリティ対策の一環としてオートコンプリート機能を無効化するケースがあります。
重要なメールの送信は承認を得る
重要なメールは、送信前に上司や関係者の承認を受けることで、誤送信のリスクを減らせます。承認ルートや承認を必要とするメール内容などをルール化して慎重な対応を徹底すれば、誤送信の件数を減らせるでしょう。ただし、承認が遅れることによって連絡が遅くなったり、業務に支障が出たりするリスクにも注意が必要です。
誤送信防止を徹底するならシステム導入が効果的
前述したメール誤送信の対策は有効ですが、人為的ミスを防ぎきれず、業務負担が増すデメリットがあります。業務負担を増やさずに誤送信防止を徹底したいのであれば、システム導入が効果的です。メールセキュリティに対応したシステムには、誤送信を監視・防止する機能が備わっています。例えば、宛先チェック機能と送信保留機能を使うと、社外への送信は一定時間送信を保留する設定が可能です。
また、上長の承認や第三者のチェックはシステム上で行えるため、メール回覧の手間と時間を減らせます。添付ファイルの分離配送機能では、添付ファイルをクラウド経由で送信し、ダウンロードURLとパスワードを別送することで情報漏洩を防げます。
まとめ
メール誤送信は誰でも起こしてしまいやすいミスのひとつです。それだけに、誤送信を未然に防ぐ対策を講じておき、誤送信が発生した際はすみやかに対処できる体制を整えておくことが重要です。サイバーソリューション株式会社は、メールに関する幅広いサービスを、さまざまなインフラ環境に応じて提供しています。「Cloud Mail SECURITYSUITE」は、誤送信防止やPPAP(添付ファイル対策)、サイバー攻撃対策の機能を備えており、総合的にセキュリティを高められます。
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