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公開日

2025年3月3日

PPAPの代替として有効なクラウドストレージとは?導入メリットや手順を解説

PPAPは、長年にわたりセキュリティ対策として広く活用されてきました。しかし近年、利便性や安全性の観点から脱PPAPを選択する企業が増えています。本記事では、PPAPに代わり、高セキュアな情報共有手段として注目されるクラウドストレージについて、導入のメリットや手順を解説します。

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PPAPとは?

PPAPは、メールでファイルを送信する際のセキュリティ対策のひとつです。PPAPでは、メールの1通目でパスワード付きzipファイルを送信し、2通目で解凍用のパスワードを送ります。日常的なビジネスにおいてPPAPはファイルの送信手段として普及し、多くの企業が活用していました。

関連記事:PPAPとは?PPAPに潜む課題と廃止の背景や対策方法まで解説!

 

PPAPのセキュリティリスク

PPAPのセキュリティリスクについて解説します。以下の理由により、PPAPの代替案が模索されています。

 

情報漏洩のリスクがある

PPAPでも、情報漏洩のリスクは残ります。ネットワーク自体が監視されている状況では、パスワード付きzipファイルとパスワードの両方とも、盗み見られてしまうためです。

マルウェア感染のリスクがある

パスワード付きzipファイルは暗号化されているため、多くのウイルス対策ソフトでマルウェアの検知が困難です。そのため、悪意のあるファイルが混入していた場合、開封時にマルウェアに感染し、先方が業務停止などの深刻な事態に陥る可能性があります。

ヒューマンエラーを起こしやすい

PPAPは送信先の誤りに対する安全策が十分ではありません。パスワード付きzipファイルとパスワードを連続して送信するため、宛先を間違えると2通とも誤った相手に届いてしまい、情報漏洩につながるリスクがあります。

作業効率が悪い

パスワード付きzipファイルの取り扱いには、専用のアプリケーションが必要な場合があります。特に、外出時など手元に専用のアプリケーションがない状況下では、データ閲覧が困難になるため、業務に支障をきたす要因となります。

 

脱PPAPの代替案はさまざまなものがある

脱PPAPの代替案として、以下のように種類はさまざまです。ただし、どの方法も万能なものではなく、メリット・デメリットがあります。

 

  • メールセキュリティサービス:送受信メールのマルウェア、情報漏洩などの対策がされており誤送送信防止機能などがつくサービス
  • メールを別経路で送信:パスワードの通知を電話やFAXなどメール以外で行う方法
  • S/MIME:メール自体をS/MIMEで暗号化し、なりすましや改ざんを防止する
  • クラウドストレージ:ファイルをアップロードして共有する
  • ファイル転送サービス:送信者がファイルをアップロードした後にダウンロードURLを取得し、受信者に知らせる
  • ビジネスチャット:通信を暗号化するビジネスチャットを利用してファイルを送受信する

 

脱PPAPでクラウドストレージを選ぶメリット

ここでは、PPAPの代替案として、クラウドストレージを選ぶメリットについて解説します。

 

暗号化通信でファイルを保存できる

クラウドストレージはファイルの保存時の暗号化通信により、高度なセキュリティ体制を確立しています。オンライン上でのファイル共有が可能なため、専用のハードウェア導入が不要となり、コスト面でも優秀です。また、多くのクラウドストレージはセキュリティ認証を取得しており、官公庁や金融機関でも採用されています。

 

複数人でのアクセスやアクセス制限ができる

クラウドストレージの大きな特徴は、複数のユーザによる同時アクセスが可能な点です。アクセス権限を持つメンバーは、場所や時間を問わずファイルを閲覧・編集できます。ファイルごとにアクセス権限を細かく設定し、機密性を保ちながら必要な人とだけ情報共有できます。また、閲覧履歴や変更履歴も確認できるため、ファイルの管理も容易です。

 

情報共有を効率化できる

情報共有の効率化もクラウドストレージのメリットです。クラウドストレージを活用すると、承認されたメンバーは時間を問わず必要なファイルにアクセスでき、複数人での同時編集も可能です。また、クラウド上ではデータを圧縮する必要がないため、スマートフォンやタブレットでもスムーズに閲覧できます。

 

テレワークに対応できる

テレワークの普及に伴い、場所を問わない柔軟な働き方が求められています。クラウド上にファイルを保存しておくと、インターネット環境さえあれば、どこからでも業務データにアクセス可能です。また、万が一デバイスを紛失した際も、クラウド上にデータが保存されているため業務を継続できます。

 

大容量ファイルをやりとりできる・メールBOXを圧迫しない

クラウドストレージでは、大容量ファイルも簡単かつ迅速にアップロードできます。通信環境が整っていれば高速にアップロードでき、相手にURLを教えるだけで迅速に情報共有できます。また、メールでファイルを共有しないためメールボックスの容量を消費することなく、効率的なファイル共有が可能です。

 

誤送信時にファイル本体を削除できる

クラウドストレージでは、ファイル本体ではなくアクセス用のURLを共有する方式を採用しています。万が一URLを誤って共有してしまった場合でも、速やかにファイルを削除すれば情報漏洩の防止が可能です。なかには、URLを無効化する機能が備わったクラウドストレージもあります。

 

クラウドストレージ利用が多い業界

クラウドストレージの活用は、急速に広がっています。総務省が実施した「令和5年通信利用動向調査」によると、調査対象となった2,640社のうち、約8割の企業がクラウドサービスを利用していることが明らかになりました。

 

業界別の導入率を見ると、情報通信業が93.4%と最も高く、続いて金融・保険業が89.8%、不動産業が89.7%、建設業が87.7%となっています。情報通信業では、リモートワークの普及に伴い、チーム間での情報共有ツールとしてクラウドストレージが浸透しています。

 

金融・保険業においては、経費精算のペーパーレス化や非対面サービスへの移行に伴い、デジタル化の一環としてクラウドストレージの導入が進行中です。不動産業では、物件情報や契約書類などをクラウド上で共有することで、商談の効率化とペーパーレス化を実現しています。

 

建設業では大容量データの共有が不可欠ですが、クラウドストレージの活用により、施工状況の確認や工程表の更新をリアルタイムに行えるようになりました。

 

※参考:令和5年通信利用動向調査の結果|総務省

 

脱PPAPでクラウドストレージを導入する手順

脱PPAPでクラウドストレージを導入する手順を解説します。セキュリティの観点から、段階を踏んでデータを共有しましょう。

 

データをクラウドストレージに保存する

クラウドストレージは、アクセス用のURLを共有することで、双方がファイルを閲覧や編集ができる仕組みです。まずは、共有したいデータをクラウド上に保存しましょう。

 

アクセス制限を設定する

クラウドストレージでは、きめ細やかなアクセス制限を設定できます。ファイルやフォルダごとに「閲覧のみ可能」「閲覧・編集ともに可能」といったニーズに応じた権限を設定できるうえに、特定のIPアドレスやデバイスからのアクセスのみを許可する設定も可能です。さらに、ファイルのダウンロード期限や回数を制限したりする「ダウンロード制限」も利用できます。

 

保管場所のURLを相手に送信する

クラウドストレージには、共有リンクを作成して相手に送信する機能があります。クラウド上にデータを保存してアクセス制限・操作権限などの設定をしたら、相手に保管場所のURLを送信しましょう。

 

従来のPPAPと異なり、クラウド上のデータ共有はパスワード設定が不要です。期限付きの共有リンクも作成できるので、適切なアクセス制限・操作権限と併用すると、セキュリティはPPAPよりも強化されます。

 

脱PPAPでクラウドストレージを導入する際の注意点

脱PPAPでクラウドストレージを導入する際の注意点を、サービスの特徴を理解する必要性と、運用ルールの設定・周知に関して解説します。

 

クラウドストレージの特徴やメリット・デメリットを理解する

前述のとおり、PPAPの代替案には、どのような方法にもメリット・デメリットがあります。たとえば、クラウドストレージは、アカウント管理の徹底が求められるうえに、オフライン環境ではファイルにアクセスできません。また、アクセス権限の設定を間違うなどのヒューマンエラーも発生しやすく、過信は禁物です。

 

クラウドストレージの特徴やリスクについて従業員に適切な説明を行うことで、情報漏洩のリスクを抑えられます。

 

クラウドストレージ運用のルールを設定して周知する

クラウドストレージを安全に活用するためには、明確な運用ルールの策定が必要です。高セキュアなクラウドストレージでも、設定ミスや内部の関係者の持ち出しなどがあれば、情報漏洩のリスクが高まります。

 

特に、アカウント情報の厳格な管理や、退職者のアクセス権限の速やかな削除など、基本的なセキュリティ対策を徹底する必要があります。運用ルールや注意点は、導入前に全従業員に周知しておきましょう。

 

脱PPAPにおすすめのサービス

SecureDriveは、最大5GBのファイルを、フォルダ単位でまとめて送受信できるクラウドサービスです。共有リンクのURL発行や、アクセス権限の詳細な設定が可能です。また、ウイルスチェック機能を搭載し、データを最長7年間保持できます。すべての操作履歴を記録する機能も備えており、高度なセキュリティ管理を実現します。

SecureDrive 

 

Cloud Mail SECURITYSUITE(CMSS)は、Microsoft 365やGoogle Workspaceを導入している日本企業に向けて、セキュリティ機能と管理機能を低コストで追加できるサービスです。脅威防御対策やシングルサインオンなど、自社に必要な機能のみ選択して追加できます。

Cloud Mail SECURITYSUITECMSS 

 

まとめ

脱PPAPの代替案として、クラウドストレージがあります。クラウドストレージにはセキュリティ体制を強化する機能が搭載されています。クラウドストレージを導入する際は、適切な運用ルールを設定したうえで、特徴やメリット・デメリットを全従業員に伝えましょう。

 

サイバーソリューションズ株式会社は、メール関連のサービスを幅広く展開し、多様なインフラ環境に対応しています。コストパフォーマンスに優れており、企業規模を問わず導入しやすい価格設定となっています。PPAPの代替案を検討する際は、ぜひサイバーソリューションズ株式会社にご相談ください。

 

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